科目情報
科目名 日本史特論I 
クラス − 
授業の概要 「日本史」でいう中世・近世にあたる時代を「アジア/世界史のなかの日本史」という発想でとらえかえすなら、どのように理解できるか。テキストに指定した『海から見た歴史』は、その問題にとりくんだ最良の入門書であり、研究史上の一つの到達点である。本書を熟読することを通じて、歴史学の最前線に触れることができるはずである。 
授業の到達目標 @ 世界史とのかかわりのなかで日本史を理解するための知識や考え方を身につける。
A テキストの内容報告を通じて、レジメの作成スキルやプレゼンテーションの技術を向上させる。 
授業計画
内容
1ガイダンス 
2プロローグを読む 海から見た歴史へのいざない 
3第1部「ひらかれた海」を読む@ 時代の構図 
4第1部「ひらかれた海」を読むA 海域交流の舞台背景と担い手たち 
5第1部「ひらかれた海」を読むB 海商がおしひろげる海域交流 
6第1部「ひらかれた海」を読むC モンゴルの衝撃がもたらしたもの  
7第1部「ひらかれた海」を読むD モノと技術の往来  
8第2部「せめぎあう海」を読む@ 時代の構図 
9第2部「せめぎあう海」を読むA 大倭寇時代 
10第2部「せめぎあう海」を読むB 海商たちの時代 
11第2部「せめぎあう海」を読むC 多様で混沌とした文化の展開 
12第3部「すみわける海」を読む@ 時代の構図 
13第3部「すみわける海」を読むA 海商たちと「近世国家」のすみわけ 
14第3部「すみわける海」を読むB 交流と居留の圧縮と集中 
15第3部「すみわける海」を読むC 海をまたぐモノと情報 
 
テキスト・参考書 テキスト:羽田正(編)・小嶋毅(監修)『東アジア海域に漕ぎだす1 海から見た歴史』(東京大学出版会、2013年) 
自学自習についての情報 報告者はテキストの内容をまとめたレジメを作成し、論点や疑問点などを明確にする。
それ以外の受講生はテキストを熟読し、討論に備える。 
授業の形式 各自がテキストを熟読した上で、テキスト・報告に関する意見を交換していく形で授業を進める。 
アクティブラーニングに関する情報 テキストを熟読した上で、テキスト・報告に関する意見の交換という形で授業を進める。  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 発表の内容および授業に取り組む態度を重視する。 
その他(授業アンケートのコメント含む) グローバル化が時代のキイワードになっている今、日本史を世界史との関わりを意識しながら理解することが、これまで以上に求められている。そのため、各地の学校現場でも地域に即した国際交流の歴史が注目され、教材化されている場合が多いが、その際、アジア/世界のなかの日本史をめぐる時代像の大枠を理解していないと、トリビア的な知識の羅列に終わってしまう危険性がある。本授業は、そのような問題意識に基づいて提案されている。