科目情報
科目名 学級経営の実践と課題 
クラス c 
授業の概要 ?本授業は学級経営に関する共通必修科目である。共通必修科目は学部新卒生と現職教員の院生の混成クラスが原則ではあるが、両者のレィディネスと到達目標に大きな違いがあるため、本授業は現職教員のみのクラスとし、若手教員の育成や学年経営・学校経営の観点から学級経営を取り上げることとする。
?本授業では理論と実践との架橋という観点から大きく3つの内容から構成する。1つめは学級経営の今日的課題に関すること、2つめは理論を踏まえた若手教員への支援の在り方に関することである。
?フィールドワークは、若手教員の学級経営力を高める指導の在り方について焦点をあてて実施する。小学校では初任者指導教員等の新採・若手教員への指導の在り方、中学校では学年団での若手担任へのサポートの在り方等の内容を取り扱う。
?本授業では研究者教員と実務家教員がTTで担当する。それぞれの特性を生かして授業の構成を行う。 
授業の到達目標 ? 学級経営を巡る今日的課題を学校経営・学年経営と学級における学習指導・生徒指導の両面から理解することができる。
? 学級経営における集団づくりの基本的な原則や校内体制の基本的な在り方を理解することができる。
? ミドルリーダーの立場から若手教員の学級経営能力を高める指導・支援のための諸要件と指導・支援のあり方を、フィールドワークと事例研究を通して分析・整理し、冊子にして提案することができる。 
授業計画
内容
1「オリエンテーション」
・現職でクラス編成を行う意義や授業の進め方、到達目標等のガイダンスを行う。
 
2「学級の役割を考える」
・「学級」という枠組みそのものを吟味することで、教育課題をこれまでとは異なった視点で捉え直す。 
3「今、学級経営の何が課題か?」 
・学級という場で顕在化する今日的教育課題について、個々の人間関係の形成という観点と学級集団としての成長という観点から検討する。
・学級担任の役割という観点から上記の課題への関わり方について考える。
・学級経営の中で生じる課題を客観的、多角的に捉えるとともに、学級担任の立場からの関わり方について、多様な選択肢と系統的な指導の2つの観点から考察することの重要性を取り上げる。 
4「学級経営の基礎」
・実践事例研究を素材としながら、学級集団の成長をめざす指導の基本について考える。
・学級集団としての成長の段階を明らかにし、その段階に応じた指導の必要性と指導の在り方について考察する。
・次回のフィールドワークについて事前研究を行う。 
5 「FWによる事例研究」
・小学校での初任者指導担当教員による新採の学級担任に対する指導の在り方について学ぶ。
・初任の学級担任に求められる能力と学級担任として今後の成長の基盤となることへの指導、支援の在り方を授業(学級)参観とその後の質疑応答を通じて学ぶ。  
6「FWによる事例研究」
・小学校での初任者指導担当教員による新採の学級担任に対する指導の在り方について学ぶ。
・初任の学級担任に求められる能力と学級担任として今後の成長の基盤となることへの指導、支援の在り方を授業(学級)参観とその後の質疑応答を通じて学ぶ。 
7「FWの振り返りと課題の整理」
・フィールドワークでの学びを各自の課題意識にそって整理する。
・フールドワークでの学びを交流する
・それぞれの課題意識や観点について、相互理解を深める。 
8「若手教員の育成に向けて1」
・若手教員の学級経営力とりわけ集団指導力育成のポイントとなる事項を整理した上で、それらに共通し、基盤となる見方、考え方について考察する。
・学級経営における学級集団づくりの意義と位置づけについて理解する。
・学級集団の構造的な把握の必要性と集団づくりにおける基本的事項を理解する。
・集団と個の相互関係について理解する 
9 「若手教員の育成に向けて2」
・若手教員の学級担任としての力量を高めるための校内体制の構築について、学年団や学年主任、生徒指導主任等の果たす役割に焦点をあて、ミドルリーダーのリーダーシップとコーチングの在り方について考察する。 
10「若手教員の育成に向けて3」
・若手教員の学級担任としての力量を高めるための校内体制の構築について、学年団や学年主任、生徒指導主任等の果たす役割に焦点をあて、ソーシャルスキルやアサーションについて考察する。 
11「若手教員の育成に向けて4」
・若手教員の学級担任としての力量を高めるための校内体制の構築について、学年団や学年主任、生徒指導主任等の果たす役割に焦点をあて、プレゼンテーション等表現の仕方について考察する。 
12「冊子づくり1」
・学級の環境づくりについて冊子にまとめる。 
13「冊子づくり2」
・学級のきまりについて冊子にまとめる。 
14「冊子づくり3
・家庭との連絡体制や保護者対応について冊子にまとめる。
 
15「まとめ」
・授業全体のまとめ。本授業を通じた各自の学びの内容を交流する。 
 
テキスト・参考書 参考文献
柳 治男 「学級の歴史学」 講談社  2005
深谷昌志 「学校とはなにか」 北大路書房 2003
河村茂雄 「日本の学級集団と学級経営」 図書文化 2010
浅野 誠 「学校を変える 学級を変える」 青木書店 1996 
白井利明 「図解 よくわかる学級づくりの心理学」 学事出版 2001
若菜秀彦 「学級づくりがわかる本」 明石書店 2006
片山紀子・森口光輔「できてるつもりのアクティブラーニング」学事出版 2016
八尾坂修・片山紀子・原田かおる「教師のためのコーチング術」ぎょうせい 2016
その他、資料・参考文献等は授業において指示、紹介する。 
自学自習についての情報 冊子づくりに向けて各自情報収拾等行うこと。 
授業の形式 ・授業は「講義」「演習」を組み合わせて行う。
・本授業では受講生が12、3人であれば、全体で授業を進めるが、これ以上の人数になった場合には、話し合い活動では2グループに分割して行う。
・グループ編成についてはメンバーを固定せず、そのときのテーマや課題に応じて編成する。 
アクティブラーニングに関する情報 ・討論や発表が組み込まれている。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ・出席については皆出席を前提とし、欠席者については補充の課題等を課す。
・評価は、フィールドワークのレポート(各15%)、期末レポート(30%)と授業(討論)への参加状況(10%)で行う。 
その他(授業アンケートのコメント含む) ・前年度の反省から、フィールドワークを2回から1回に減らしている。