科目名 |
中等音楽科教育IV |
担当教員 |
樫下 達也 |
クラス |
− |
授業の概要 |
本授業ではまず、音楽学および文化人類学の知見に基づき、日本の伝統音楽の特徴を世界の音楽の中に位置づけながら知る。また諸外国および日本における伝統音楽教育の歴史と現状について学ぶ。そのうえでグループで日本の伝統音楽の教材化に取り組み、学習指導案を含む授業プランを作成、模擬授業を行う。以上のことを通し、音楽科において伝統音楽の教材を扱う意義と今後の課題について理解する。 |
授業の到達目標 |
(1)音楽科における伝統音楽教材化の意義と課題について、音楽学および文化人類学の知見を根拠として理解することができる。 (2)具体的な授業場面を想定して、日本の伝統音楽を教材とする授業設計を行い、模擬授業として実施してこれを検討することができる。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション:学習指導要領における伝統音楽教育の位置づけ |
2 | 伝統音楽とは何か:「私の音楽」と「私の国の音楽」 |
3 | 日本と西洋の音楽様式の違い:伝承、記譜、楽器、身体 |
4 | 伝統音楽の教材化(1):日本音楽の音階構造と教材としての可能性 |
5 | 伝統音楽の教材化(2):日本音楽の拍節構造と教材としての可能性 |
6 | 日本における伝統音楽教材化の歴史 |
7 | 諸外国における伝統音楽教育の現状:韓国の事例から |
8 | 日本の伝統音楽を教材とする授業実践事例:附属学校への授業見学 |
9 | 伝統音楽教材による歌唱指導:日本語の語りとわらべうた |
10 | 伝統音楽教材による器楽指導:口唱歌を用いた和楽器指導の可能性 |
11 | 伝統音楽教材による鑑賞指導:体験型DVDを用いた能の鑑賞 |
12 | 伝統音楽教材による創作指導:日本語の音楽性を活かした創作 |
13 | 伝統音楽を教材とする授業プラン(1)学習指導案の作成 |
14 | 伝統音楽を教材とする授業プラン(2)模擬授業と討論 |
15 | 伝統音楽教材化の意義と今後の課題 |
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テキスト・参考書 |
テキスト 文部科学省、『中学校学習指導要領』(最新版) 文部科学省、『中学校学習指導要領解説 音楽編』(最新版) 文部科学省、『高等学校学習指導要領』(最新版) 文部科学省、『高等学校学習指導要領解説 音楽編』(最新版) ※高等学校についても改訂後の学習指導要領を取り扱う 参考書 小泉文夫『音楽の根源にあるもの』平凡社、1994年。 中等科音楽教育研究会編、『最新 中等科音楽教育法〔改訂版〕』音楽之友社、2011年。 日本音楽教育学会編『日本音楽教育事典』、音楽之友社、2004年。 |
自学自習についての情報 |
各回のテーマについて、グループによる授業時間外の調査と授業内の発表を課す。 |
授業の形式 |
講義および演習(学生発表、楽器演奏を含む) |
アクティブラーニングに関する情報 |
各回のテーマについてのグループによる調査と発表、ディスカッション。模擬授業と事後討論の実施。 日本の伝統楽器の演奏を含む体験的な学習。附属学校の授業見学。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
発表(20%)、授業プランの作成(20%)、ディスカッションへの参加(10%)、レポート(50%) |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
特記事項なし |
担当講師についての情報(実務経験) |
担当講師は学校における音楽科の教員経験を有しており、この経験を生かし、具体的授業実践と「評価」や教材論などの理論を関連付けながら講義および演習を展開する。 |