科目情報
科目名 中等美術科教育I 
担当教員 村田 利裕 
クラス − 
授業の概要  中等美術科教育Tでは、我が国の中等美術科がどのような資質・能力を育て、そのために教科の目標・学年の目標及び内容構成がいかに編成されているか全体像を理解します。また、美術科の指導者は、学習指導要領を基礎として地域や学校の実態を適切に把握して教師自身が学校毎に題材を生み出して指導に当たることが多いです。そのため教材研究に意欲の持てる指導者が期待されます。この授業では、班でのグループワークと討議や教材研究の発表、模擬授業を取り入れて、主体的に研究していく指導者を育てることを目指します。 
授業の到達目標 (1)学習指導要領における美術科の目標と内容構成など全体構造と主たる内容を理解する。
(2)主体的な教材研究と教科書教材の調査研究などのアクティブラーニングから、指導内容を深く知り指導上の留意点を理解する。
(3)学習評価はいかにあるべきか、題材を構成する目標−評価分析ができるようにし、実践的な評価のあり方を把握する。
(4)学習指導要領の資質・能力を育成するために、今日的な多様な美術アプローチがいかに教育的な効果があるか、題材研究を試作(アクティブラーニングして)して深める。
(5)発展的な学習内容についてプレゼンテーションをまとめながら、学習指導への位置づけを考えることができる。 
授業計画
内容
1【1.教職の魅力と意義】1.中等美術科教育の意義、教職の魅力とつらさ(本当によい教師をめざすとは?)、中等期の生徒の成長・発達を知り、「課題:美術科の教科書から導入を考えよう。」をグループワークします。 
22.班で模擬授業を実施して、まとめをグループワークし全体討議にしていきます。 
3【2.中等美術科教育の教材研究】@「発想」の研究 共通事項に関わる資質・能力の向上を念頭に教材を作成します。「切る−貼る」のコラージュの世界(ミックスする発想、合成する 並べる、位置を変えるなどの操作を重視して) グループワークでコラージュの試作(予習)を試み、グループ討議後、クラス発表します。 
4A発想 形や色からの発想  教材研究 (色の材料を試す) 試作してグループワークでコラージュの試作(予習)を試み、グループ討議後、クラス発表します。 
5B−1 構想・計画 メッセージデザインを研究します。(コミュニケーション:飛び出すカード、絵本、イラストレーション、図、アニメーション、写真など) 
6B−2 教材研究として試作します。特に、紙の技法に関わるイメージ表現を工夫します。 
7C創造的なスキル:光の空間からの発想 紙のオブジェ、ランプシェードを試作します。グループワークで上記の研究を選んで試み、グループ討議後、クラス発表する。 
8D映像メディア表現 イラストレーション、プロジェクションマッピング、写真、CG表現グループワークで上記の研究を選んで試み、グループ討議後、クラス発表します。 
9E鑑賞 好きな美術、美術文化(日本および諸外国)について予習した調査研究を発表します。学習指導要領の主旨や価値意識の交流を重視します。 
10【3.我が国の学習指導要領 中学校・高等学校 美術科】
@学習指導要領解説を使って中学校の教科構造を理解し、教材研究との関係を深めます。 
11A高等学校の教科構造を理解し、教材研究との関係を深めます。前回を含みながら指導案の書き方、子どもの意見の取り上げスキル(カウンセリングマインドの重要性)など現代的な指導法を把握します。 
12【4.題材研究のまとめ】@ 授業第3〜9回目までの教材研究や自主的な追加教材研究で深め、年次・年間カリキュラムでの位置付け、題材の導入方法、教材特性分析などをまとめたプレゼンテーションをつくります。 【計画】    
13A学習指導要領や教科書等を読んで検討を進める。(目標−評価分析)【キー概念の決定・資料調査・教材研究】 
14Bプレゼンテーションの作成(A2パネル)【パネル化】 
15Cプレゼンテーションの実施  
 
テキスト・参考書 テキスト:文部科学省、「中学校学習指導要領解説美術編」「高等学校学習指導要領解説 芸術編・音楽編・美術編」(最新版)
竹内 博 (編) 「アート教育を学ぶ人のために」世界思想社 
自学自習についての情報 学習指導要領の基本構造についてはテキスト1を教科の理解・指導内容・発達など内容面についてはテキスト2を使い必要となるところの予習の学習に利用します。 
授業の形式 講義・演習・教材研究(実習) 
アクティブラーニングに関する情報 6つの教材研究はグループ・ワークと個人の研究をベースとし、班でのディスカッション後クラス全体へも発表する。教科書教材、開発的な教材研究に班での模擬授業を組み合わせて、最終的な自己の指導内容のプレゼンテーションをまとめていく。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 6つの教材研究(60%)、最終的なまとめのプレゼンテーション(40%)の配点です。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項なし 
担当講師についての情報(実務経験) 実務経験あり:高等学校で、美術科・工芸科を担当。教材研究や授業研究の際に子どもの成長を願うことの大切さを具体事例から指導する。