科目情報
科目名 国文学特講 
担当教員 天野 知幸 
クラス − 
授業の概要 【目的】三島由紀夫の中期頃までの作品とその周辺言説を扱い、三島由紀夫の作家イメージと作品、双方についての理解を深める。また、文学における「戦後」「昭和」表象のありかた――すなわち、第二次世界大戦、戦後復興、高度経済成長、日米関係、核戦争などの表象を具体的に分析し、文学の持つ批評性について考察する。
【方法】コンテクストや先行論での指摘を踏まえつつ年代順にテクストを読解してゆく。なお、理解を深め、理論・知識の応用方法を体得するために、出席者自身が解釈し、それを発表する時間をとる。 
授業の到達目標 1、作品を複数読み通すことで、三島由紀夫という作家についての理解を深める。
2、文学のもつ批評性について理解する。
3、文学理論の応用の仕方を理解する。
4、参考文献の読み込みを通して、文学研究への理解を深める。 
授業計画
内容
1ガイダンス 
2三島由紀夫「伝」 
3「仮面の告白」@ 文壇への登場 
4「仮面の告白」A 語り、セクシュアリティ表象 
5「葵上」@(「近代能楽集」) 古典芸能・新劇への傾倒 
6「葵上」A(「近代能楽集」) 「リアリズム」批判  
7「潮騒」@ 世界旅行と三島由紀夫、作品受容のされかた 
8「潮騒」A 沖縄・アメリカ表象 
9「金閣寺」@ 「戦後」と「美」 
10「金閣寺」A 事件の描かれ方 
11「鏡子の家」@ もはや「戦後」ではない 
12「鏡子の家」A ニヒリズムについて 
13「美しい星」@ SFと三島由紀夫 
14「美しい星」A 核戦争と文学 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 【テキスト】三島由紀夫『仮面の告白』『近代能楽集』『潮騒』『金閣寺』『鏡子の家』『美しい星』(新潮文庫)
【参考文献】授業において適宜指示する。 
自学自習についての情報 作品の通読は事前に必ず行うこと。
読むべき先行研究については授業中に指示するので、各自読んで学ぶこと。 
授業の形式 基本的には講義形式で行うが、グループディスカッションや発表を取り入れる。 
アクティブラーニングに関する情報 授業中にグループ・ディスカッションや意見交換を行う。
能動的、主体的な学習を出席者には求める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業態度(30%)
学期末レポート(70%) 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 長編が多いが、各自、文庫本等で通読することを求める。 
担当講師についての情報(実務経験)