科目情報
科目名 地理学研究 
担当教員 香川 貴志 
クラス − 
授業の概要 ★当科目は今年度から2回生でも登録できるようになりました(従来は原則として3回生以上)。
地理学の研究には欠かせないフィールドワークの基礎を体験的に学ぶ科目です。単なる観光旅行や施設見学ではなく、今年度は福島県内の重要伝統的建造物群保存地区を全て巡り、歴史を地域づくりに活かしていく手法を現地で学びます。そのことを十二分にわきまえて受講してください。現地実習(現地集合・解散で2泊3日)を福島県会津地方で行います。このため往復交通費と現地滞在中の経費合計で45,000〜50,000円(往復夜行バスを利用した場合)が必要です。往路で夜行バス(京都→会津若松、郡山乗り換え)を利用しない場合は、集合場所の近くで前泊も必要です。この宿泊代金は上記の必要経費には含まれていませんのでご注意ください。
★下記の授業計画は、公共交通機関のダイヤ改正等により変更されることがあります。
 
授業の到達目標 デスクワーク(事前準備における文献研究)およびフィールドワーク(エクスカーションによる現地観察と討論)を通じて、当該地域に固有の諸課題を見出し、それを改善していく方策の提案に至れるようになります。 
授業計画
内容
1第1回事前学習会:4月20日(土)、12:00〜13:30
本授業科目の「めあて」や概略について説明する。また事前学習会の2回目以降で扱う各文献の精読担当者を決める。 
2第2回事前学習会(2コマ分):6月15日(土)、12:00〜13:30、13:45〜15:15
第1回事前学習会で決めた担当者による文献紹介を実施し、それをめぐっての質疑応答を演習形式で行う。 
3第3回事前学習会(4):7月20日(土)、12:00〜13:30
現地実習についての直前説明を行い、それをめぐっての質疑を合わせて実施する。 
4現地実習(1):8月23日(金)、10:10〜11:40
JR会津若松駅前に10:00集合(宿舎または駅ロッカーに不要な荷物を預ける)し、昼食になる軽食(パンなど)を購入しておく。
会津若松から南会津町前沢まで借り上げバスで移動しつつ、車中で会津盆地の地誌的レクチャーを行う。 
5現地実習(2):8月23日(金)、12:20〜13:50
南会津町前沢集落でコミュニティおよび建造物を観察し、必要に応じて討論する。集落をひとめぐりした後、次の目的地である下郷町大内宿まで借り上げバスで移動しつつ、車中で南会津町前沢集落の振り返り学習、ならびに下郷町大内宿の地理的特徴について直前解説を行う。下郷町大内宿に到着後、地図を用いた簡単なフィールドワーク実習を行う。 
6現地実習(3):8月23日(金)、14:00〜15:30
下郷町大内宿においてフィールドワークを継続し、主題図の下圖を完成させる。全員の作業が概ね終了したことを確認してから、借り上げバスで宿舎(会津若松市内)に向けて出発する。車中で下郷町大内宿の振り返り学習を行う。 
7現地実習(4):8月24日(土)、8:30〜10:00
宿舎でこの日の予定を再確認し、個人またはグループで立案した計画に基づいて会津若松市街地のアーバンツーリズムを体験的に実践し、行動記録をフィールドノートに残しておく。会津若松市(行政域)の外部には出ないこと。 
8現地実習(5):8月24日(土)、10:15〜11:45
個人またはグループによるアーバンツーリズムの実践(1)。適宜昼食を摂る。 
9現地実習(6):8月24日(土)、12:50〜14:20
昼食・昼休みのあと、個人またはグループによるアーバンツーリズムの実践(2)。
 
10現地実習(7):8月24日(土)、14:35〜16:05
個人またはグループによるアーバンツーリズムの実践(3)。16:45までに宿舎へ戻ること。 
11現地実習(8):8月24日(土)、17:00〜18:30
現地行動第2日目の行程を現地で配布する所定の「下書き用紙」にまとめ、行動した単位(個人またはグループ)ごとに発表し、その内容について質疑を行う。 
12現地実習(9):8月25日(日)、8:00〜9:30
前日夕刻の行程発表の際に使った「下書き用紙」を参考にして、9:30までに所定レポート用紙(前日の反省会の際に配布)にまとめて、9:30までに宿舎ロビーの担当者(香川)に時間厳守で提出する。受付は9:20から始める。会津若松を9:53に発つ列車で喜多方へ向かう。喜多方で解散後に会津若松に戻って直ぐに直ぐに乗り継がない人は。不要な荷物を宿舎に預けておく。他方、解散後に会津若松に戻って直ぐに乗り継ぐ人、喜多方から新津・新潟方面へ向かう人は不要な荷物を喜多方駅のロッカーに預ける。
 
13現地実習(10):8月25日(日)、10:00〜11:30
会津若松9:53(普通)10:20喜多方。車内で必要に応じて喜多方の簡単な説明を行う。喜多方に到着後、2018年に重要伝統的建造物群保存地区に指定されたばかりの小田村地区や蔵が建ち並ぶ喜多方市の中心市街地をめぐり、少し早めに一時解散して各自で昼食。 
14現地実習(11):8月25日(日)、12:00〜13:30
見学可能な蔵の内部を見学してから喜多方駅に向かい13:30に喜多方駅で解散する。
◆なお、同日中に指定されたテーマ・様式の小レポートをスマートフォン、携帯電話などから担当者(香川)の大学アドレスに宛てて送信すること。
◆解散後、新幹線を使えば同日中に次のダイヤで帰洛できる。喜多方13:48(普通)14:05会津若松14:14(快速)15:19郡山15:30(やまびこ44号)16:48東京17:00(のぞみ243号)19:17京都
 
15★第2回目の欄に2コマ分を記しているため、上表では14回目までで2単位(15コマ)分に相当します。 
 
テキスト・参考書 【テキスト=必ず購入のこと】文化庁編(2015)『歴史と文化の町並み事典:重要伝統的建造物群保存地区全109』、中央公論美術出版、ISBN9784805507421、3,500円(本体)。 
自学自習についての情報 事前学習会である程度の指示はしますが、文献収集とその精読、そして各種レポートの作成は確実にこなしてください。
また本授業科目の諸連絡はすべて大学アドレスに宛てたEメールで行います。くれぐれも見落としによる「知りませんでした」が無いよう強くお願いします。最近はLineしか見ない方が多く、教務の面で大きな支障が生じています。あり余る注意をお願いします。 
授業の形式 演習・実習形式。 
アクティブラーニングに関する情報 自らが考えて行動する力が必要です。決して難しくはありませんが、時間や約束を守れない方、メールチェックができずに連絡事項を見落とす方は厳に受講を慎んでください。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 事前学習会における文献講読(20%)、現地での取り組みを裏付けるレポート、フィールドでの行動など現地実習における評価(70%)、解散後の当日中にメールで提出する喜多方に関するレポート(10%)を合わせて評価するが、これらの評価割合は各受講生の状況に応じて各±10%の範囲内で変動することがある。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 「決して楽ではなかったが大変印象深い経験ができた」という趣旨の評価を頻繁にいただくことができている科目です。
科目内容の性格上、受講人数に上限があります。同時開講する大学院の「地理学特論II」とあわせた受講可能人数は40名です。 
担当講師についての情報(実務経験) 「地理学概論」の当欄をご参照ください。