科目名 |
植物分類形態学 |
担当教員 |
藤浪 理恵子 |
クラス |
− |
授業の概要 |
現在、地球上に生存する多様な生物は、35億年以上にわたる生物の進化の歴史を繁栄している。植物は光合成能力を獲得したランソウ類に始まり、海中で藻類として繁栄し、約4億年前に緑藻の一部が上陸に成功してコケ植物を進化させた。さらに、陸上で進化を続けて維管束を獲得したシダ植物は、その後、裸子植物として種子をつくることに成功し、被子植物は花をつくった。以上のストーリーを導くためには、現存する植物の形態や組織の比較、化石記録や遺伝子を用いた類縁関係の推定などが必要である。本講義では、植物の基本的な理解を深めてもらい、陸上植物の形態、系統分類、及び体制の進化について解説する。 |
授業の到達目標 |
1.身近な植物を理解するために基本的な体制の説明をすることができる。 2.コケ植物、シダ植物、裸子植物、被子植物の進化の道筋を理解し、各々の特徴を述べることができる。 3.植物を扱う教材開発において、対象とする植物種をなぜ用いるのか、植物分類学と植物形態学の観点から説明できる。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | イントロダクション:緑色植物の進化の概要と植物分類における形態学と系統学 |
2 | 維管束植物の体をつくる根、茎、葉の特徴 |
3 | 維管束植物の体をつくる組織 |
4 | 維管束植物の体を構成する細胞と組織分化 |
5 | 茎の解剖学 |
6 | 根の解剖学 |
7 | 葉の解剖学 |
8 | 植物の水中から陸上への進化(緑藻からコケ植物へ) |
9 | コケ植物の多様性 |
10 | シダ植物の進化と多様性 |
11 | 種子への進化 |
12 | 裸子植物の多様性 |
13 | 被子植物の誕生 |
14 | 被子植物の花の起源 |
15 | 被子植物の多様な進化 |
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テキスト・参考書 |
毎回の講義に授業プリントを配布する。 参考書:「植物形態学」原襄 著(朝倉書店) 「植物の多様性と系統」岩槻邦男・馬渡峻輔 監修(裳華房) |
自学自習についての情報 |
準備学習として配布資料の予習、事後学習として授業内容の復習をする。また、授業で習った植物形態の基本的な体制を身の回りの植物で確認するなど、観察する能力を養う。 |
授業の形式 |
講義、演習 |
アクティブラーニングに関する情報 |
講義トピックスごとに、植物形態に関する課題に取り組み、ディスカッションを行なう。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業中に1回中間小テストを行なう。さらに期末テストを行ない、総合的に評価する。また、課題レポートを数回出してもらい、これらも評価に加える。 1)期末テスト 60% 2)中間小テスト 20% 3)課題レポート 20% |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
本講義は2回生以上の受講が望ましい。植物の細胞や組織、構造について切片や断面図を利用することが多いため、平面図から立体的な形を常に描くようにして授業を聞いてほしい。授業時になるべく実物を見られるようにするので、実際の植物の体制を理解するようにしてほしい。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
植物形態学を専門とし、進化、系統、分類の視点を組み合わせた研究および講義経験を有する。 |