科目情報
科目名 金属材料 
担当教員 森田 辰郎 
クラス − 
授業の概要 金属材料の結晶構造および微視組織,力学的諸特性および強化機構,ならびに組織制御について基礎的な知識を学ぶ.また鉄鋼材料,アルミニウムおよびチタンなどの金属材料について,それらの特徴や用途について概説する.さらに,各種表面処理の原理や効果について説明する.その他,重大事故に関する説明を行う. 
授業の到達目標 1.金属材料の結晶構造および微視組織について理解する.
2.金属材料の力学的諸特性および強化機構について理解する.
3.組織制御に係る金属学的な基礎的な知識を習得する.
4.鉄鋼材料,アルミニウムおよびチタンなどの金属材料について,それらの特徴や用途を理解する.
5.各種表面処理の原理や効果について理解する.
6.各種製品の事故事例に基づいて,工業的倫理観の重要性を理解する. 
授業計画
内容
1概要説明−本講義の目的と授業方法の説明,材料の変遷に関する概論. 
2結晶構造と微視組織(1)−単位,原子結合の種類,金属の結晶構造,結晶構造の表記法(ミラー指数). 
3結晶構造と微視組織(2)−結晶の不完全性,微視組織. 
4微視組織と強度(1)−応力とひずみ,応力−ひずみ曲線,弾性変形と弾性定数,塑性変形とすべり・転位. 
5微視組織と強度(2)−構造敏感・構造鈍感,強化機構(固溶強化,析出強化,加工硬化,組織微細化による強化). 
6金属材料の基礎(1)−構造変化の駆動力,平衡状態と自由エネルギー,平衡状態図. 
7金属材料の基礎(2)−核生成と成長,凝固・相変化. 
8金属材料の基礎(3)−TTT線図の概説,溶体化・時効,相形態. 
9事故事例紹介と討論(1)−航空機墜落事故 
10鉄鋼材料(1)−鉄鋼材料の平衡状態図と相,微視組織,回復と再結晶. 
11鉄鋼材料(2)−マルテンサイト変態,残留応力,焼入れ・焼戻し,各種熱処理法. 
12鉄鋼材料(3)−鉄鋼材料の種別(構造用鋼,鋳鉄,工具鋼,ステンレス鋼,耐熱材料). 
13アルミニウム・チタン−アルミニウムの組織と強化法,分類と用途に関する概説,チタンの組織と構造,基本的な強化法,分類と用途に関する概説. 
14表面改質法−各種表面改質法の概説,表面改質による腐食防食・環境強度向上,トライボロジー. 
15事故事例紹介と討論(2)−タイタニック号沈没事故 
 
テキスト・参考書 プリントを使用する.なお,入手方法については授業時に説明する.参考書:日本材料学会「機械材料学」 
自学自習についての情報 授業前に内容の確認を行うとともに,復習に重点を置いて基礎的事項の習得に努めること.試験前には,各章の演習問題を中心に復習すること. 
授業の形式 講義形式 
アクティブラーニングに関する情報 講義期間中に2回行う事故事例紹介と討論では,実際に起こった大規模事故に関して,当時の状況等について解説すると共に,その原因に係る討論を行う. 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 期末試験(100%)の成績による.ただし,合否の判定の際にはレポートの提出状況を考慮する. 
その他(授業アンケートへのコメント含む) プリントの入手先:http://www.cis.kit.ac.jp/~morita/jp/index.html
事故事例紹介:タイタニック号の沈没事故,JAL123便墜落事故 
担当講師についての情報(実務経験) 大学教員として,多数の機械材料・材料力学に係る学術研究および共同研究の実績を有する.学協会については,例えば英国機械学会(IMechE)のフェローおよび英国技術士(CEng)の資格を有する.