科目情報
科目名 学校教育実践総論II 
担当教員 神代 健彦 
クラス − 
授業の概要 歴史的に積み重ねられてきた新旧様々な教育実践の記録を素材に、その子ども理解や集団形成の思想・技術について考察する。子どもとの関係をつくること、また、子ども同士の関係を導くということは、教師のしごとのなかで極めて重要なものの一つである。そして近代学校制度が始まって以来、教師たちは、つねにこのことについて思考錯誤を行ってきた。これらの努力に、教師たちが著した書籍や実践記録などを介して接近し、ひるがえって今日の学校のあり方を再考したい。 
授業の到達目標 歴史のなかで積み重ねられてきた、学級づくりのしごとについての知見を深める。
歴史上の実践を介して、みずからの学級(指導・被指導)経験について省察し、理解を深める。 
授業計画
内容
1ガイダンス 
2講義:日本の学校・学級をどうみるか 
3教師のしごとを読む(1):ケアの教師たち 
4討論(1):教育における愛のかたち 
5教師のしごとを読む(2):教育的関係のアポリア 
6討論(2):教師であることの否定? 
7教師のしごとを読む(3):協働学習のリアリティ 
8討論(3):子どもの能力の差について 
9教師のしごとを読む(4):生活と教育 
10討論(4):子どもの生活をつかむ 
11教師のしごとを読む(5):学級集団づくりの思想 
12討論(5):学級集団の公共性とその隘路 
13教師のしごとを読む(6):子ども集団づくりへ 
14討論(6):ケアと公共性 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 テキストは特に指定しない。
参考文献や素材となる教師の著作・実践記録は、適宜授業内でコピーを配布する。 
自学自習についての情報 教師の著作や実践記録を読み、翌週にそれらを踏まえて討論、という流れで進む。
授業内容を踏まえて、討論で提起できる学級(指導・被指導)経験を振り返りながら臨んでほしい。 
授業の形式 講義とディスカッションの回を交互に展開する。 
アクティブラーニングに関する情報 とりわけ討論(ディスカッション)の回は、受講者の主体的・能動的参加が期待される。
また、受講者は討論回の論点提起役を分担して行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業内での討論への貢献:40%
期末レポート:60% 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 教師の実践記録等は、研究論文とも異なる独特さがあるため、読解に苦労する受講生も散見される。
講義や先行文献の提示で補いながら進めたいが、疑問があれば積極的に質問してほしい。 
担当講師についての情報(実務経験) 担当講師は日本の教育と教育学の歴史的研究を専門としているが、本学附属学校教員と連携した初等・中等教育の授業づくりやカリキュラム開発などの実績も持っている。また学外の民間教育研究団体等において、小中高特別支援学校の教員や発達援助職の実践者とともに、子ども理解や授業研究などの実践的研究も手掛けている。本授業ではそこで得た知見等も適宜織り込みながら、ペダゴジックな教育学の基礎を提供したい。