科目名 |
生物学特論I |
担当教員 |
今井 健介 |
クラス |
− |
授業の概要 |
学校教育理科における生態分野は、高度な理論の説明においても、実物に即した発見観察からの 学びにおいても、現状十分とは言えない。本講義では、担当講師の専門である進化に基づく行動 生態学の理論について論じるとともに、実物に即した教材開発のための身近な生物素材探索法、 教材化へのICT活用法、教材としての活用方法について学ぶ。 |
授業の到達目標 |
・動物を行動生態学的に理解できるようになり、生物分野における理論の重要性を認識できるようになる。 ・実物に即した観察・発見からの学びの重要性を理解し、その実践方法を習得する。 ・フォトグラメトリー等のICTを教材開発に活用できるようにになる。 ・教材開発の具体的実践を通じて、その方法論を見いだし、修得する。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーションと全体のスケジュール |
2 | 教材開発法(1):生物の観察法・撮影法 |
3 | 教材開発法(2):フォトグラメトリーによる生物の3Dモデル構築法 |
4 | 教材開発法(3):3Dモデルへの情報の付加法 |
5 | 生態学入門(1):動物の行動の「究極要因」の研究法 |
6 | 生態学入門(2):昆虫の適応の観察 |
7 | 生態学入門(3):血縁度係数と血縁選択の理論 |
8 | 教材開発(1):オリエンテーションとテーマ選定 |
9 | 教材開発(2):キャンパス内での素材収集・行動観察 |
10 | 教材開発(3):標本作製・撮影 |
11 | 教材開発(4):中間報告/教材のとりまとめ |
12 | 生態学入門(4):Fisherの性比理論 −進化的安定戦略について− |
13 | 生態学入門(5):本学キャンパスで行われた生態研究から |
14 | 教材開発(5):成果発表と模擬授業(前半グループ) |
15 | 教材開発(6):成果発表と模擬授業(後半グループ) |
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テキスト・参考書 |
『行動生態学第四版』(ウェスト、クレブス、デイビス著)、『新版 動物生態学』(伊藤,山村、嶋田著) |
自学自習についての情報 |
・「教材開発法」と「生態学入門」では、それぞれの内容に関連したレポートを課すので、参考書、理科の教科書、 関連HPに基づいて調査を行うこと。
・「教材開発」については、理科教科書を熟読し希望テーマを見つけておくこと、また、テーマ決定後は先行研究の 論文を図書館で検索し、熟読すること。 |
授業の形式 |
講義および実験・観察 |
アクティブラーニングに関する情報 |
適宜、発表とディスカッションを行う。フィールドワークを行う場合もある。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
「教材開発法」と「生態学入門」のレポート(40%) 「教材開発」の成果と参加態度(60%) |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
図書館等で論文の検索・入手方法を学んでおくこと。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
担当講師は博士(農学)を取得しており、応用昆虫学、進化生態学、環境生物学の研究者である。 特に虫こぶ性昆虫アオキミタマバエと寄主植物アオキの進化的な相互作用を専門的に研究してきた。 研究の概要は本学公式Youtubeチャンネルで紹介されている(題名「昆虫の生き様を研究する」)。 近年ではアゲハチョウ幼虫の生態学的研究と教材化、学内の身近な昆虫のICT教材化に取り組んでいる。 |