科目情報
科目名 教科指導の理論と課題 
担当教員 佐々木 真理,浅井 和行,田中 曜次 
クラス − 
授業の概要 ○ 授業構成・デザイン論
授業の基本構造について,授業づくりの基礎理論より学び,授業を組み立てるための方法・ポイント(教材研究の意義と方法,目標と評価,単元構成と授業展開,発問構成・板書計画,教材・資料・学習機器など)を確認し,学習目標を明確にした授業設計を構築するための力量を形成する。
○ 学習過程・学習活動論
学習活動のあり方(類型)や学習者に対する指導・支援のあり方(授業形態:一斉指導・小集団学習,個に応じた学習,習熟度別学習,話合い活動,調べ学習など)について教育方法論からアプローチし,事例研究を通して的確な授業形態を編成し運用できる能力を身に付ける。
○ 授業におけるICTの活用
授業や学習活動におけるICT機器の活用の基本
ICT (Information and Communication Technology) について体系的に理解し,それぞれのメディアの特性と現在の学校のデジタル学習環境の実態について学ぶ中で,これまでのICTを活用した教育の成果と課題を明らかにし,よりよい授業実践を行うための力量を形成する。 
授業の到達目標 ○ 授業の基本構造について理解し,学習目標を明確にした授業設計を構築するための力量の形成
○ 学習活動の類型や学習者に対する指導・支援をもとに的確な授業形態を編成し運用できる能力
○ ICTについて体系的に理解しメディアの特性と現在の学校のデジタル学習環境の実態に関する知見
○ ICTを活用した教育の成果と課題をもとによりよい授業実践を行うための力量の形成 
授業計画
内容
1「教育としての授業の役割」
本科目の位置づけや全体構想,到達目標等について説明を行う。講義の導入として,「教育」としての授業の役割および授業の全体像について解説する。(担当:田中曜次) 
2「授業設計の理論」
ADDIEモデル,ガニエの9教授事象,ケラーのARCS動機付けモデルなどを解説し,インストラクショナルデザイン理論をもとに,授業の構造についての理解を図る。(担当:田中曜次) 
3「授業目標と評価」
教科教育における目標と評価を確認し,学習活動としての単元における目標設定と評価基準の設定についての理解を図ったうえで、授業の中での評価の場面と方法を考察する。また、評定についても検討する。(担当:田中曜次) 
4「教材としての教科書」
教科書の位置づけを確認し,教材としての教科書について検討する。教科書の比較・分析を行い、教科書を中心とした授業の組み立て方をワークショップの形式で検討し,その内容を報告・発表。(担当:田中曜次) 
5「教材開発と授業の構想」
教材研究の方法および教材開発の方法を確認し,具体的な授業を構想していく。
発問構成・板書計画,資料・学習機器などの活用法など具体的に検討し,学習指導案を作成する。(担当:田中曜次) 
6「学習活動や学習者に対する指導・支援のあり方」
学習活動のあり方(類型)や学習者に対する指導・支援のあり方(授業形態)について教育方法と教育内容の両面からのアプローチを検討する。(担当:佐々木真理) 
7「わが国における授業形態の変遷」
わが国における授業形態の研究・実践の変遷を,諸外国の授業形態の研究・実践の影響とともに,歴史的に概観する。(担当:佐々木真理) 
8「わが国内外における授業形態の分類」
わが国および海外における授業形態を諸学説をもとにその形態・機能・適用に応じて分類する。系統的に整理して解説する。効果的な授業形態について検討する。(担当:佐々木真理) 
9「効果的な授業形態の実践研究1」
効果的な体験型学習の授業形態の実践研究について検討する。ワークショップの形式で発表・報告とその内容についての討論を行う。(担当:佐々木真理) 
10「効果的な授業形態の実践研究2」
効果的な体験型学習の授業形態の実践研究について検討する。ワークショップの形式で発表・報告とその内容についての討論を行う。実地の授業におけるいろいろな授業形態の適用について考察し課題意識を持つ。(担当:佐々木真理) 
11「教育の情報化」「メディアの教育的意義」(参考書1 U部第2章)
「教育の情報化」で議論されている内容を検討し,本授業でとり上げる内容が「情報教育」「授業におけるICTの活用」「校務の情報化」の3本柱のうちの2つ目の柱であることを確認する。
「メディア」の定義を行い,「メディアの教育的意義」についてまとめる。 
※ 文科省のHPに,「教育の情報化」や「教育の情報化ビジョン」について掲載されているので,授業までにしっかり学んでおくこと。(担当:浅井和行) 
12「教育メディアの種類」「映像番組」(参考書1 U部第9章)
「教育メディアの種類」について簡単に触れ,良質な「映像番組」を視聴することを通して,映像の持つ教育的意義を確かめる。
※これまで自分が受けてきた学校教育の中で,映像が果たしてきた役割について考えておくこと。(担当:浅井和行) 
13「ICTを活用した授業」(参考書1 U部第5章)
全国の「ICTを活用した授業」の事例を紹介し,どのように分類すればよいかを考える。また,受講生が今後行う授業を想定し,本授業で紹介された事例を自分の授業のアイデアとして利用できるように,授業中に整理しておくこと。
体験を重視する生活科においても,ICTが力を発揮することについて事例を通して紹介する。
※ 「ICTを活用した授業」は年間を通してたくさん公開されているので,インターネット上で調べ,事前に授業を参観しておくことが望ましい。(担当:浅井和行) 
14「ICT活用スキル」電子黒板(書画カメラを含む)の活用
教育支援センターにある3台の電子黒板を使って演習を行う。
※ 電子黒板の活用スキルを身につけるとともに,電子黒板を使わない場合にはどのような授業展開ができるかを考えておく。(担当:浅井和行) 
15「メディア・リテラシー」
「インターネットと携帯電話から子どもをどう守るか」を題材として,メディアは制作者の意図によって構成されていることを知り,受け手としても送り手としても批判的思考を働かせるとともに,児童生徒にそのことをどのように伝えるかを考える。
※ 自分がメディアにだまされたことがあるかどうかを振り返っておくこと。(担当:浅井和行) 
 
テキスト・参考書 テキスト類・参考文献は随時紹介する。また,授業プリントを講義者で準備する。
参考書として,次の書籍を紹介する。
1. 浅井和行(2001)「メディア教育と生活科・総合的学習」日本文教出版
2. 浅井和行編(2003)「インターネットと総合学習」黎明書房 
自学自習についての情報 小集団による課題発表の話合いや準備,レポートの作成のため自学自習が必要になる 
授業の形式 講義形式を主とするが,小集団での話し合い活動を行う。
集団の編成の仕方は,授業ごとに指示する。 
アクティブラーニングに関する情報 グループ討論を行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 以下の観点により,総合的に評価する。
・授業ごとのコメントカード・事例研究・レポート,授業課題,授業での活動 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項無し 
担当講師についての情報(実務経験) 担当者3名とも 公立小中学校教員 教職実務経験者