科目情報
科目名 児童生徒理解の理論と実践 
担当教員 小松 貴弘,服部 康子 
クラス − 
授業の概要 ・コース必修科目の一つとして、児童生徒個人をどのように理解し、教育的観点から働きかけ・支援を行っていくかを考える。
・具体例を取り上げながら、児童生徒の姿を多様な理論的観点から捉え、それを総合的にまとめあげていく手法を学ぶ。
・児童生徒の理解を進める上で重要な観点である、心理発達、身体発達、社会的関係の観点から、児童生徒の立体的かつ総合的な理解のあり方を学ぶ。
・適宜グループに課題を割り当て、事前の調べに基づく発表と討論を行う。受講者の水準を踏まえ、問題意識の拡大と理解の深化を目指す。 
授業の到達目標 ・児童生徒個人を理解するうえで必要な視点を身につける。
・児童生徒個人を理解するうえで標準的なアセスメントの進め方を身につける。
・多様な視点から捉えた児童生徒像を総合的に描き出す力を身につける。 
授業計画
内容
1 「理解する」とは?
・児童生徒を「理解する」とはどういう営みであるのか、何をどのようにわかり何をすることが「理解する」ことなのか、基本的なスタンスについて考える。 
2 子どもたちと現代社会
・現代の子どもたちが生活している社会背景を、少し前の社会と比較対照しながら考える。児童生徒理解にも社会的なコンテクストの理解が不可欠であることを学ぶ。 
3 子どもたちを見る視点:心理・身体・社会
・児童生徒を理解する視点として、複眼的な視点が必要であること、その具体例として、心理的視点、身体的視点、社会的視点があること、それらは互いに深く関連し合っていることを学ぶ。 
4 心理的存在としての子ども:乳幼児期
・学齢期以前の乳幼児期の子どもたちの心理的発達課題を学ぶ。 
5 心理的存在としての子ども:児童期
・児童期の子どもたちの心理的発達課題を学ぶ。 
6 心理的存在としての子ども:思春期・青年期
・思春期・青年期の子どもたちの心理的発達課題を学ぶ。 
7 身体的存在としての子ども:身体発達・病気・性
・子どもの成長とあり方を、身体を持った存在としての視点から考え、学ぶ。 
8 社会的存在としての子ども:家族関係
・家族関係が子どもの成長とこころのあり方、社会的関係の持ち方に及ぼす影響、保護者の心理について学ぶ。 
9 社会的存在としての子ども:友人関係
・友人関係が子どもの成長と心身の健康さに及ぼす影響と、発達に応じたその変化について学ぶ。 
10 社会的存在としての子ども:教師との関係
・学校における教師との関係がこどもの成長やこころのあり方に及ぼす影響や、児童生徒と教師との望ましい関係にあり方、育み方について学ぶ。 
11 アセスメントの進め方
・児童生徒理解を具体的に進めていく上で理解しておくことが必要な概念的枠組みと基本的な手順について学ぶ。 
12 アセスメントの諸技法
・アセスメントのための具体的な諸技法、代表的な心理検査や発達検査について学ぶ。 
13 事例演習@:小学校の事例
・これまでの授業を踏まえて、小学校の事例を取り上げて、その事例をどのように理解するか、どのような支援のあり方を構想するか、グループを中心に議論する。 
14 事例演習A:中学校の事例
・これまでの授業を踏まえて、中学校の事例を取り上げて、その事例をどのように理解するか、どのような支援のあり方を構想するか、グループを中心に議論する。 
15 まとめ
・児童生徒を理解するとはどのような営みであるかを再確認し、受講生各自がその力量を高めていくためにどのようなことが必要であるかを考える。 
 
テキスト・参考書 テキスト:角田豊・片山紀子・小松貴弘編著『子どもを育む学校臨床力』創元社
参考図書:文部科学省『生徒指導提要』 
自学自習についての情報 ・グループ課題について、積極的な学習と課題意識のありかが伝わる発表を求める。
・児童生徒理解に不可欠な社会的コンテクストを理解するために、日常的に社会の動きに対する幅広くかつ深い関心を寄せることが必須である。
・指定しているテキスト及び参考書に適宜目を通すこと。 
授業の形式 ・講義、演習、グループ討議、グループ発表を通して行う。
・1グループは5名前後で編成する。 
アクティブラーニングに関する情報 ・演習やグループ討議、グループ発表への積極的な取り組みを求める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ・期末レポート(70%)と授業への姿勢(30%)を総合的に評価する。
・期末レポートは、主として、児童生徒理解についての基本的な理解度の点から評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ・受講生自身に主体的に考えを深めることを求めつつ、受講生の理解度に応じた説明に留意する。 
担当講師についての情報(実務経験)