科目情報
科目名 現代の学校と共生教育 
担当教員 水本 徳明 
クラス − 
授業の概要 近代の教育システムとしての学校の特質と課題を検討しつつ、ジェンダー、障害の有無、世代、国籍、文化など、様々な社会的カテゴリの間における共生とその実現を目指す教育について探究する。文献を講読し、受講生の議論を通じて共生についての理解を深める。 
授業の到達目標 後期近代社会としての現代社会の特質を理解し、共生という観点からそこにおける学校教育の課題について深く考えることができるようになることが目標である。具体的な到達目標は次の通り。
 @共生という観点から、近代の教育システムとしての学校の特質について説明できるようになる。
 A共生の意義について説明できるようになる。
 B共生に関わる諸問題について、多面的に捉えられるようになる。 
授業計画
内容
1【学校教育と社会的カテゴリ】文献の講読、検討を通じて、学校教育が生み出す社会的カテゴリについて考察する。 
2【カテゴリの更新とそれを拒むもの】テキスト「本書のねらい」と第1章を講読、検討することを通じて、社会的カテゴリの更新として共生を捉えることの意味を考察する。 
3【ナショナリズムと歴史教育】テキスト第2章を講読、検討することを通じて、歴史教育の観点からナショナリズムについて考察する。 
4【沖縄におけるネイションの位相】テキスト第3章を講読、検討することを通じて、沖縄の現状からナショナリズムについて考察する。。 
5【父子家庭が問いかけるジェンダーカテゴリの更新】テキスト第4章を講読、検討することを通じて、家族の現実と家族政策の面からジェンダー問題について考察する。 
6【子育ての責任と担い手】テキスト第5章を講読、検討することを通じて、子育ての責任と担い手の面から現代の子育て制度について考察する。 
7【障害者の権利と主体性】テキスト第6章を講読、検討することを通じて、障害者権利条約からみた障害者の意思決定支援の在りかたについて考察する。 
8【世代区分と世代間共生】テキスト第7章を講読、検討することを通じて、「青壮年/高齢」などの世代区分の問題について考察する。 
9【世代間格差と共生】テキスト第8章を講読、検討することを通じて、年金制度をめぐる世代間格差と世代間共生について考察する。 
10【共生に関わる社会意識】テキスト第9章を講読、検討することを通じて、共生に関わる現代日本の社会意識の問題について考察する。 
11【学問と共生】テキスト第10章を講読、検討することを通じて、学問や研究と共生との関係について考察する。 
12【現代社会における共生の課題@】受講生の関心に基づいて、11回までで十分深められなかった共生問題についての文献を講読、検討する。 
13【現代社会における共生の課題A】受講生の関心に基づいて、12回までで十分深められなかった共生問題についての文献を講読、検討する。 
14【現代社会における共生の課題B】受講生の関心に基づいて、13回までで十分深められなかった共生問題についての文献を講読、検討する。 
15【総合考察】共生という観点から、今後の教育システムの在り方について検討する。 
 
テキスト・参考書 <テキスト>
岡本智周・丹治恭子編著『共生の社会学』太郎次郎社エディタス
<参考書>
上野千鶴子『サヨナラ学校化社会』ちくま文庫
高橋 敏『江戸の教育力』ちくま新書
岡本智周・田中統治編著『共生と希望の教育学』筑波大学出版会
上農正剛『たったひとりのクレオール 聴覚障害児教育における言語論と障害認識』ポット出版
倉石一郎『包摂と排除の教育学 戦後日本社会とマイノリティへの視座』生活書院
臼井智美『イチからはじめる外国人の子どもの教育』教育開発研究所
野口道彦・柏木宏編著『共生社会の創造とNPO』明石書店 
自学自習についての情報 文献を読んで授業に臨む。 
授業の形式 文献の検討とそれに基づく討議を中心に進める。 
アクティブラーニングに関する情報 受講者の討議を中心に進める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中の発言(100%)。授業の到達目標の観点から評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 2018年度の授業アンケートの結果を踏まえて適切に対応する。 
担当講師についての情報(実務経験)