科目情報
科目名 生と性と死のカリキュラム構想 
担当教員 徳永 俊太,佐藤 年明 
クラス − 
授業の概要 人間の生、生きることについては現行の小中高特支の学習指導要領にも多様に位置付いている。しかし生の終着点としての死については、最新の学習指導要領上においてその語が記載されているのはわずかに高校公民科の一箇所のみであり、事実上タブーに近い。しかし諸外国はもちろん日本においても少数例ではあるが子どもたちと死について学んだ教育実践や教材も存在する。
生と死、さらに生きる営みの中で不可欠の位置を占める性の問題を含めて、既存の学校カリキュラムを見直しながらこれら3つのテーマを位置づけた新しい学校カリキュラムのあり方を検討する。 
授業の到達目標 生・性・死の3つのテーマについて、教師として何を教えるべきか(何を教えてはならないかを含む)、子どもたちの学びに対してどのような指導・支援を行なうべきかについて、自分なりの見解を持てるようになること。 
授業計画
内容
1T.「性」に関する学びの課題(1) 生殖の性を(受精からでなく)性交を起点として学ぶこと @野村正博実践(小2)のVTR視聴と実践記録検討(1回目) 
2T(1)@(2回目) 
3T(1) A性交を教えるその他の授業実践例の検討 
4T(1) B性交について教えることをめぐる課題の検討(いつから教えるべきかを含む) 
5T(2) 生殖の性ではなくふれあい・快楽追求・人間関係づくりの性交・性行動を教えるべきか? @問題提起 
6T(2)A討論 
7U.「死」に関する学びの課題 (1)人の死を教室で学ぶことについて懸念されること(討論) 
8U(2) 末期ガン患者さんを教室に招待した金森俊朗実践(小4)の検討 @実践の紹介 
9U(2) A討論「子どもたちを死という現実に向きあわせることの是非、意味」 
10U(3) 子どもたちに鶏をつぶして食べることを要求した鳥山敏子実践(小4)の検討 @実践紹介 
11U(3) A討論「人間が他の生き物の命を奪って生きている事実をどう捉えるか/子どもたちとどう学べばよいか」 
12V.幼小中特支カリキュラムに「生と性と死」を位置づけるカリキュラム構想(1) 作成作業(1回目) 
13V(1) 作成作業(2回目) 
14V(2) 発表・交流 
15W.総括討論「学校教育で人が生きることについて何を学ぶことができるか?」 
 
テキスト・参考書 授業中にも資料を配付するが、配付資料の原典(次項に記載)を入手・予習できればその方がよい。 
自学自習についての情報 授業で紹介する以下の実践記録をその一部でも事前に読めれば、その方が望ましい。入手できないものは貸出も可。
野村正博『性交を語る』(教育史料出版会 1995) 金森俊朗・村井淳志『性の授業 死の授業』(教育史料出版会 1996) 鳥山敏子『いのちに触れる』(太郎次郎社 1985) 村井淳志『「いのち」を食べる私たち』(教育史料出版会 2001) その他「死の教育」関連の文献は多数所蔵しているので、必要に応じて貸出も行なう。 
授業の形式 講義+演習 
アクティブラーニングに関する情報 自明のこととして、learningはactiveでなければ成立しない。受講生がactiveになる機会は当然毎回用意しているが、敢えて挙げるならば討論など。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 毎回授業後のレポート(6割程度)+最終レポート(3割程度)+発表等の特別の努力(1割程度) 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項無し 
担当講師についての情報(実務経験)