科目情報
科目名 ジェンダー論 
クラス − 
授業の概要 この授業では高校生向けに実践した授業を再現しながら、授業構成の方法と生徒の反応も紹介してきたい。受講生にはジェンダーやセクシュアリティ概念を理解し、現代社会に潜む弱者の生きにくさの問題に共通した原因を見つけてもらいたい。学校現場ではジェンダーやセクシュアリティは「隠れたカリキュラム」となって差別意識が刷り込まれていることを認識し、常識化した文化がどのような価値観でつくられているのかを分析して批判できる力を養成したい。 
授業の到達目標 1.ジェンダー概念やセクシュアルマイノリティを理解し、暮らしの中のジェンダー秩序の問題点に気づく。
2.ジェンダー・セクシュアリティの違いを克服し公平な社会のあり方について考え行動できる力を養う。
3.学校教育とジェンダーやセクシュアリティの課題について理解し、人権を尊重する教育づくりを考える。 
授業計画
内容
1オリエンテーション 〜わたしと性教育〜 
2現代の日本は本当に男女平等か@ 〜社会生活面でみる不平等〜 
3現代の日本は本当に男女平等かA 〜中絶と避妊から不平等を考える〜 
4ジェンダーやセクシュアリティはどのようにつくられるか@ 〜明治以降の学校教育から考える〜 
5ジェンダーやセクシュアリティはどのようにつくられるかA 〜AVから考える〜 
6ジェンダーへのこだわりは何が問題なのか 〜男らしさ・女らしさを追求することの危険性〜 
7多様なセクシュアリティを認め合うために@ 〜同性愛など性的指向〜 
8多様なセクシュアリティを認め合うためにA 〜トランスジェンダー(前編)〜 
9多様なセクシュアリティを認め合うためにB 〜トランスジェンダー(後編)〜 
10対等な関係性を築く基礎@ 〜お互いの体を理解する〜 
11対等な関係性を築く基礎A 〜性交へのゆがんだイメージを変える〜 
12対等な関係性を築くために@ 〜スクールセクハラ〜 
13対等な関係性を築くためにA 〜デートDV(現状と原因)〜 
14対等な関係性を築くためにB 〜デートDV(救済と予防)〜 
15対等な関係性を築くためにC 〜レイプ(確実な同意の必要性)〜 
 
テキスト・参考書 テキストは使用しない。参考書として、狛潤一・佐藤明子・水野哲夫・村瀬幸浩著『ヒューマン・セクソロジー 生きていること、生きていくこと、もっと深く考えたい』子どもの未来社2016  性教協編『新版人間の性の教育』第5巻大月書店2006  浅井春夫他編著『日本の男はどこから来て、どこへ行くのか』十月舎2002 
自学自習についての情報 本講義ではテキストを指定していないが、ジェンダーやセクシュアリティに関する文献を一冊以上読んでほしい。
セクシュアリティに関するニュースをヤフーなどのデジタルニュースでテーマ設定して読んでほしい。 
授業の形式 基本的には講義形式
授業内容にあう視聴覚教材を使用する。
受講者の声を活かし、理解を促す工夫をしたい。 
アクティブラーニングに関する情報 受講生同士や教員と意見が交換できるテーマについては、ミニレポートの課題を追加して紙上討論したい。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) ほぼ毎授業時間に提示された課題について記述されたミニレポート 80%程度
授業への参加度 20%程度 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 受講生のこれまでの生き方や意識によって授業の理解度に差がある。授業内容は性に関わる人権問題について高校生向けに実施したものをベースに構成しているが、前半のジェンダーに関わるテーマについては毎年拡充してきた。ミニレポートの内容は毎回フィードバックして確実な理解を求めていきたい。 
担当講師についての情報(実務経験) 担当講師は高等学校で地歴公民科教員として勤務してきた経験があり、20年以上にわたり「現代社会」の倫理的分野で性教育を導入し、2000年からは年間を通して授業「男女共生学入門」を実践してきた。教科指導以外では不登校や被虐待生徒と積極的に関わり、思春期の生徒の心理に共感しながら授業や生徒指導をすすめる努力をしてきた。