科目情報
科目名 児童・生徒のための日本語教育論A 
クラス − 
授業の概要 外国人児童生徒等に対する日本語指導は,2014年より「特別の教育課程」として正規の課程に位置づけることが可能になった。学習指導要領でも日本語指導について「個々の児童の実態に応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う」「教師間の連携に努め」「指導についての計画を個別に作成することなどにより,効果的な指導に努める」と記述された。外国人受入がますます拡大するなかで,自身が日本語指導者とならなくても,自身の勤務校に日本語指導が必要な児童生徒が転入してくる可能性は,どの教員にもある。
この授業では,外国人児童生徒等の指導に必要な基礎知識として,バイリンガル環境で育つ子どもの言語習得や日本語の特徴,日本語指導の方法などを学ぶ。 
授業の到達目標 日本語指導の必要な児童・生徒を学校において支援するために必要な基礎的な知識を身につける。 
授業計画
内容
1イントロダクション:日本語指導が必要な子どもとは 
2異文化適応と心理 
3多言語環境の子どもの認知発達と言語習得(1)子どもの認知発達 
4多言語環境の子どもの認知発達と言語習得(2)子どもの言語習得 
5公立学校における外国人児童生徒の受け入れ 
6母語・母文化・アイデンティティ 
7日本語の特徴(1)音声 
8日本語の特徴(2)文法 
9日本語指導の理論と方法(1)言語教育の方法 
10日本語指導の理論と方法(2)日本語プログラム 
11日本語指導の理論と方法(3)教科につながる日本語指導 
12日本語指導の理論と方法(4)日本語能力の評価 
13日本語指導の理論と方法(5)個別の指導計画の作成 
14在籍学級での支援 
15キャリア支援と多文化共生社会 
 
テキスト・参考書 齋藤ひろみ他『外国人児童生徒のための支援ガイドブック~子どもたちのライフコースによりそって~』凡人社ISBN:9784893587992 2,100円
原沢伊都夫『日本語教師のための入門言語学-演習と解説- 』スリーエーネットワーク ISNB:9784883197392 1,944円
姫野伴子他『日本語教育学入門』研究社 ISNB:99784327384715 2,484円
齋藤ひろみ・佐藤郡衛『文化間移動をする子どもたちの学び―教育コミュニティの創造に向けて―』ひつじ書房ISBN:9784894763432 2,800円
中島和子『マルチリンガル教育への招待―言語資源としての外国人・日本人年少者』ひつじ書房ISBN:9784894764460 3,360円
ジム・カミンズ,中島和子『言語マイノリティを支える教育』慶応義塾大学出版会 ISBN:9784766418569 2,940円
バトラー後藤裕子『学習言語とは何か―教科学習に必要な言語能力』三省堂 ISBN:9784385365114 3,045円 
自学自習についての情報 参考書欄に挙げられた書籍の他,授業中に参考文献を紹介するので,講義の前に指示された箇所を一読しておいてください。 
授業の形式 講義,グループ討論など 
アクティブラーニングに関する情報 授業では適宜グループ・ワークを取り入れる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 小テスト(毎週,前週の学習内容について小テストを行います)50%
学期末テスト 50% 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 理論的な内容については最初は理解が難しいようですが,小テストで理解を確認し補足説明をしています。わからないことがあれば,授業中に遠慮なく質問してください。 
担当講師についての情報(実務経験) 授業担当者は現職教員対象の研修や教育委員会のアドバイザーも務めています。学校での外国人児童生徒等指導の実状に合わせた内容を取り上げています。