科目名 |
国際教育・実地研究B |
クラス |
− |
授業の概要 |
日本で生活する外国人や外国にルーツのある子どもが増加する中、多文化共生社会の実現は、日本においてもいよいよ差し迫った課題となっている。様々な文化が共生する社会とはどのような社会なのか、そのような社会を実現していくための課題と方法はどのようなものであり、そこで教育が担いうる役割とはいかなるものなのか。 本授業では、およそ100年の歴史を持つ定住外国人たる在日コリアンに焦点を当て、その教育や生活の場に直接足を運びながら、これらの問いを深めていく。具体的には、京都市立小学校内の民族学級、京都市内の朝鮮学校、在日コリアンの高齢者施設エルファ、在日コリアン集住地区であるウトロ等を訪ねる。フィールドワークをとおし、在日コリアンをはじめとした在日外国人が、教育や生活、労働といった様々な局面において、いかなる困難や制約に直面しているのか、またその中でどのように生きようとしているのかについての理解を深めるとともに、目指すべき多文化共生社会のあり方と、そこで教育が担い得る役割について考えていく。 |
授業の到達目標 |
・在日外国人が生活上直面している困難とその要因について理解する。 ・在日外国人について調査研究するうえでの基礎的な方法論を身につける。 ・在日外国人と教育をめぐる様々な問題を多角的に把握し、直接的な交流の経験を踏まえながら、多文化共生社会を築いていくうえでの教育の役割について、自らの考えを述べることができる。 |
授業計画 |
※複数教員が担当する授業科目は、各教員が担当する回について分かるように明記してください。(この説明文は削除してください。)
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション――マイノリティの声をどう聞くのか |
2 | 多文化共生社会とは何か――承認と平等 |
3 | 在日朝鮮人社会の形成――移動・労働・居住・教育 |
4 | フィールドワーク@ ウトロ地区 |
5 | フィールドワーク@に関する発表と議論 |
6 | 日本の外国人学校と外国人教育政策の歴史 |
7 | フィールドワークA 京都朝鮮中高級学校 |
8 | フィールドワークAに関する発表と議論 |
9 | 「〇〇人」になるとは――いちょう団地のニューカマーの子どもたち |
10 | フィールドワークB 京都市立凌風小学校の民族学級 |
11 | フィールドワークBに関する発表と議論 |
12 | フィールドワークC 京都コリアン生活センターエルファ |
13 | フィールドワークCに関する発表と議論 |
14 | 公立学校で働く外国籍教員――「任用の期限を附さない常勤講師」の今 |
15 | 全体のまとめ |
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テキスト・参考書 |
テキストは指定しない。授業で適宜紹介し、レジュメを配布する。参考文献としては、差し当たり以下のものをあげておく。 ・田中宏(2013)『在日外国人 第三版――法の壁、心の溝』岩波新書 ・岩渕功一編(2010)『多文化社会の〈文化〉を問う――共生/コミュニティ/メディア』青弓社 ・ガッサン・ハージ著、保苅実・塩原良和訳(1998=2003)『ホワイト・ネイション――ネオ・ナショナリズム批判』平凡社 ・馬渕仁編(2011)『「多文化共生」は可能か――教育における挑戦』勁草書房 ・額賀美紗子ほか編(2019)『移民から教育を考える――子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』ナカニシヤ出版 |
自学自習についての情報 |
日頃から多文化社会をめぐるニュースや取り組み等に関心を持ち、議論の際にそれらを活かせるようにする。 |
授業の形式 |
講義、映像資料、フィールドワーク、発表、ディスカッション |
アクティブラーニングに関する情報 |
フィールドワークの次の週に、発表とディスカッションを行う。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業時の提出物30%、フィールドワークに基づく発表50%、議論への参加20% |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
フィールドワークの日程は可能な限り早めに決めるが、土曜日になる可能性もある。また、フィールドワーク先の都合により、訪問順は前後する場合がある。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
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