科目情報
科目名 代数学特別講義 
クラス − 
授業の概要 この授業では,グレブナー基底を学習します.
グレブナー基底とは,多項式環のイデアルの生成系の中で,「良い」性質を持つもののことです.
代数学・代数幾何学のみならず,統計学や暗号理論など,数学のいろいろな分野に応用できることが知られています.
多項式の項順序・除法を用い,多項式環のイデアルについて理解するとともに,コンピュータによる計算も行います. 
授業の到達目標 「単項式順序」や「割り算アルゴリズム」など,グレブナー基底の基礎理論を理解するためのキーワードを身につけ,与えられたイデアルの生成系がグレブナー基底かどうかを判定する「Buchberger判定法」を理解することを第一の目標とします.
さらに、可換代数学と代数幾何学の基礎を学び,コンピュータによる具体的な計算も行い,グレブナー基底がどのように応用されるかを知ることを,第二の目標とします. 
授業計画 ※複数教員が担当する授業科目は、各教員が担当する回について分かるように明記してください。(この説明文は削除してください。)
内容
1授業内容の説明.群・環・体とベクトル空間の定義 
2有理整数環.ユークリッド互除法 
31変数多項式環  
4n変数多項式環  
5可換環のイデアル.イデアルの生成系.昇鎖条件 
6項順序.Diksonの補題 
7多項式の除法.割り算アルゴリズム  
8グレブナー基底1:定義.Hilbertの基底定理 
9グレブナー基底2:基本性質 
10S-多項式.Buchbergerの判定法 
11グレブナー基底3:Buchbergerのアルゴリズム.簡約グレブナー基底 
12グレブナー基底の応用1:イデアルの所属・比較問題 
13素元分解環・終結式 
14グレブナー基底の応用2:消去法 
15グレブナー基底の応用3:消去イデアルの応用 
 
テキスト・参考書 グレブナー基底に関する著書は,数多く出版されています.
それぞれにとって合う本,合わない本があると思いますので,テキストは指定しません.
以下の著書を参考書として挙げておきます.

(1) コックス,リトル,オシー著,落合啓之他訳『グレブナ基底と代数多様体入門 (上),(下)』,シュプリンガーフェアラーク東京,2004
(2) コックス,リトル,オシー著,大杉英史他訳『グレブナー基底1,2』,丸善出版,2000
(3) 日比孝之著『グレブナー基底』,朝倉書店,2003
(4) 丸山正樹著『グレブナー基底とその応用』,共立出版,2002

授業は,基本的に(1) の内容に沿って進めていきます.
(1),(2) は演習問題およびグレブナー基底の応用が豊富に収録されている著作です.
 
自学自習についての情報 グレブナー基底の基礎を理解するためには,自分で手を動かして計算したり考えてみたりすることが重要です. 
授業の形式 講義のレジュメ・小問・課題のプリントを配布します.
演習の時間を適宜挟みながら,講義を進めていく予定です.
授業への積極的な参加も評価します. 
アクティブラーニングに関する情報  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 課題演習およびレポートで判定します. 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  
担当講師についての情報(実務経験)