科目情報
科目名 栽培実習I 
クラス − 
授業の概要 学内のF棟南側にある教材園において野菜や草花を栽培する。圃場の準備(畝立てなど)、種播き、苗の植え付けから収穫までの栽培過程を、可能な限り実践する。得られた収穫物を教室内にて調理し試食する。これら一連の作業を通して、達成感ならびに満足感を味わう。これらの一連の作業には、除草、耕起、整地などのつらい作業が含まれるが、これらを経てはじめて立派な収穫物が得られること、収穫までには時間がかかることなどを確認し、栽培することには、「待つ、辛抱する、作物に愛情を注ぐ」ことが大切な要素であることを理解する。 
授業の到達目標 作物を栽培する過程において、作物がもつ特徴や環境との関わりを体得する。併せて、「育てる心」と「作物栽培の大変さおよび重要さ」を、一連の体験を通じて理解する。額に汗して育てた作物が成長し、収穫できたときの達成感および喜びを味わう。 
授業計画 授業の最初に30分程度,その日の実習内容について全員に解説した後,作物を「育てる」実習をおこなう.最後に10分程度,まとめの時間をとる.また可能であれば,学外での田植えなどの実習や圃場見学を行う可能性がある.毎時の計画は,種子および苗の準備状況によって変わる可能性がある.また,その日年の天候やそれまでの気候によっても異なり,一概には示せない.
例えば,以下のような授業計画が考えられる.ただし,同じことを繰り返して実施したり,実施順序が変化するなどの変動も伴うのが普通である.
本授業では,春から冬まで一年間の栽培体験を通して学習することで完結する.本授業の秋・冬版は『生物育成実習』での実施となる。収穫作業はこちらの授業でも行うことになるので,本授業だけで終わると本当の意味での授業が完結しないことになる。よって、本授業受講者は続けて後期の『生物育成実習』も併せて受講し,せっかく自分が育てた作物を収穫・試食するように。
内容
1オリエンテーション,農具の名称と使い方,整地,畦立て 
2マルチングシ−ト張り,種まき,苗の植え付けの準備,農具の点検法の学習など 
3種まき,苗の植え付けなど 
4除草,水やりなど 
5木の枝払い,潅木の伐採,木片運びなど 
6畑の周辺にある植栽の剪定,農道整備など 
7支柱立て,誘引,芽かき,培土など 
8葉菜類,果菜類の収穫・調理・試食など 
9根菜類の収穫・調理・試食など 
10プランター栽培,容器栽培など 
11ゴーヤやヘチマなどによる壁面緑化栽培(緑のカーテン)など 
12ハーブの収穫とハーブ茶の作成など 
13農地の整備実習など 
14不要樹木の整理,剪定枝の始末など 
15大規模農業実践の見学と質疑応答,レポート作成など 
 
テキスト・参考書 栽培に関する本はたくさん市販されているので、自分が読みたい本を書店などで選べばよい。NHKの番組「趣味の園芸」のテキスト各月号や日本農業新聞の中で週1回出される野菜栽培特集頁なども大いに参考になる。学校教員向けの栽培の本として、農山漁村文化協会「学校園の栽培便利帳」と「学校園の観察実験便利帳」があり、本授業では後者をテキストとして使用する。 
自学自習についての情報 授業時に、必要に応じて示す。NHKの番組『趣味の園芸 野菜の時間』(毎週日曜日午前8時〜8時25分)は大いに参考になる。 
授業の形式 F棟の講義室(通常F16)にて、最初の30分程度、その日の実習の内容や意義をプリントやテキスト等を用いて講義し、その後F棟南側の教材園での栽培実習を行う。収穫物がある場合には、教室に戻って収穫物を調理し試食することがある。授業の最後に簡単なまとめを行う。男女別に更衣室を設ける(通常男子がF13,女子がF14)ので、作業のできる服装に着替えて13時までに講義室に集合すること。京都大学大学院農学研究科附属農場(木津川市)の見学を7月下旬に実施する予定である。 
アクティブラーニングに関する情報 本授業は実習であるので、参加しないと意味がない。しかしながら、ただ漫然と参加するだけでは、何も身に付かない。一連の作業がもつ意味を考え、何のために、何を目指して、どのようにするべきなのか、考えながら行動しなければならない。教員の指導を先回りした自主的行動を期待する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業中の態度(真面目に作業に取り組めているか)50%、収穫物の出来具合ならびに教材園の管理状況25%、レポート25%の配分で評価する。実習の授業であるので、8割以下の出席率の学生は単位認定が困難になる可能性がある。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) F棟南側の教材園において実施する。一部に未整備の区画が残存するので、開墾実習を実施することもある。実習中の怪我など不測の事態に備えるために、受講学生は傷害保険に入っておく方が望ましい。栽培実習であるので、野外で活動できる服装(野良着)や靴などが必要である。例年、収穫物を自分が嫌いだとの理由で持ち帰らない学生がいるが、まずは持ち帰り、自宅で調理して食することが大切である。スーパーマーケットで購入した同じ野菜とは食味が異なるはずである。なお、本実習での栽培では、一切の化学肥料や農薬は使用しない栽培法を実施しており、安全で美味しく、付加価値の高い野菜が収穫できる。 
担当講師についての情報(実務経験) 京都大学大学院農学研究科において、栽培実習を担当した経験を持つ。使える教材園の面積が小さいため、作業は手作業である。鍬の使い方などは、指導するだけではなかなか身につかないので、受講生諸君と一緒に作業する中から各自で体得してほしい。積極的な参加を期待している。