科目名 |
色彩学 |
クラス |
− |
授業の概要 |
世界は色彩に満ちていて私たちは色に包まれて生きているように感じられます。しかし、その色はどこにあるのでしょうか。対象表面の物理的性質や化学的組成に、対象が存在する空間の光学的環境に、光を検知する眼の生理的特質に、生理的反応を知覚し感じる心理的側面に...私たちは色彩の在処をさまざまな場所に尋ねる必要があるでしょう。加えて、我々の歴史的文化的背景への考察も欠かせません。その上で、色彩を実際に利用するにあたっての配色理論や色彩構成論があります。このように色彩には広く多面的なアプローチがあり、だからこそ謎や魅力が尽きないのだと言えます。このような色彩の世界の広範さを踏まえ、美術に関わる色彩の見方を原初的なところから考えていきたいと思います。 |
授業の到達目標 |
自己と世界の出会いの中で、色彩をその都度(その場所、その時間でいつも新しく)発生する現象であると捉え、感じられるようになること。 色彩に関する基礎知識を習得すると同時に色彩を考察するアプローチの多面性を理解し、そこから各自の研究の糸口を発見すること。 |
授業計画 |
大きな流れは以下の通りですが、皆さんの反応や意見、当日の天候などに合わせて、それぞれの内容の組み合わせや順番を変更することがあります。
回 |
内容 |
1 | 色の名前・色って何? |
2 | 散歩:光を視る、色を視る |
3 | 光と色 |
4 | 物体と色 |
5 | 眼と色、脳と色 |
6 | 色の採集:色を集める |
7 | 色の採集:色を並べる |
8 | 色の採集:虹を作る |
9 | 表色系と配色理論 |
10 | 色紙の配色:言葉と色彩 |
11 | 色紙の配色:イメージの伝達 |
12 | 色紙の配色:色彩マップの制作 |
13 | 作品鑑賞:美術作品の色彩 |
14 | 作品鑑賞:光と色彩をテーマにした作品 |
15 | まとめ:色彩の世界への入り口に立つ |
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テキスト・参考書 |
必要に応じてプリントを配付します。 今後の興味に応える図書も紹介しようと考えています。 授業期間中に日本色研の配色カード129aを購入してもらいます。詳細は初回授業時に指示します。 |
自学自習についての情報 |
日常の中に潜む色彩に関する現象や事物に目を向け、鋭敏な感覚を働かせることが求められます。 また、演習やフィールドワークのために身近なものを材料として準備してもらいます。 |
授業の形式 |
講義を中心に、ワークショップ的な演習や簡単なフィールドワークを織り交ぜます。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
講義形式とワークショップ形式のグループワーク(演習)を交互に行います。 演習での発見や気付きを講義による知識と照らし合わせ、自身の色彩に対する研究の糸口として下さい。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
1) 授業への参加度(20%) 1) 演習に対する積極性(30%) 2) 授業内レポート(50%) |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
双方向性のある授業を実現するため、授業の要所要所でミニレポートを書いてもらいます。授業体験を通じて感じたことや考えたことを述べるとともに、色彩に関して知りたいことや講義の疑問点などの意見・要望・質問を積極的に表明して下さい。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
授業担当者は絵画作品の制作・発表を続けるかたわら、デザイン専門学校での基礎課程としての色彩教育実践を行い、美術における色彩の意味とその主体的な学び方に関する考察を重ねてきました。その経験をもとに、色彩の知識と共に、主体的に色彩と関わる体験的学習の方法を共有したいと思います。 |