科目名 |
美術教育学演習II |
クラス |
− |
授業の概要 |
この授業は、卒業論文を取り組むための高度な美術教育に関する諸理論を重要文献を講読しながら、体系的・系統的に理解するにはどうすべきかを問う授業である。無批判に受け止められている重要理論ですら、ある立場からの意見や仮説にすぎない場合が多い。この授業では、過去および現代の教育理論や発達論の重要文献にあたりながら、芸術のように多様な見方のできる学習をいかに考えていけばよいのか、受講生自身の意識を深めながら考えていく。 |
授業の到達目標 |
(1) 芸術(美術)を自らはいかに解釈し、その価値を見つけていきたいか学問的に問う力と態度を深める。 (2) 美術教育学の従来研究の研究領域の到達点を知っていく。 (3) 現代および新しい時代の芸術教育はいかにあるべきか、考える手がかりをえる。 (4) 3つの基本文献(ジャーナル・実践論・教育の基礎理論)を講読し、概要をまとめ・発表する能力を育成する。 |
授業計画 |
基本理論を手がかりとしながら、自らの教育実践を構築する。 【ジャーナルの講読から】 【教育実践を準備・計画・実施・評価の経験から】 【近現代の教育学思想の講読から】 フレーベル教育学の哲学的背景、デューイの教育学など、ビクトール・フランクルの実存主義的理論等から ◎芸術・個性・発達・深層心理などのキーワードに関連して 生きる意味、表現と人間存在との関係、芸術教育の目的・芸術の定義(ハーバート・リード『芸術に よる教育』)、知覚と想像とについて、気質と表現、無意識の統合方法、児童の美術、審美眼、 生活や人生に芸術を生かしていく視点の重要性など ◎教育実践の理論
回 |
内容 |
1 | ガイダンス 【美術教育実践の意義と広がり:最新教育ジャーナルの演習から】 「教育美術」「美育文化」など、代表的な最新のジャーナルを読んで、美術教育実践の現状認識を深める。 |
2 | 世界の美術教育のジャーナルを読み、動向や興味の持てる記事を抽出する。 |
3 | 日本の戦前の教科書等から、動向や興味の持てる記事を抽出する。 |
4 | 日本の美術教育のジャーナルを読み、動向や興味の持てる記事を抽出する。 |
5 | 各自発表する。 |
6 | 【教育実践を準備・計画・実施・評価する】 教育実践研究を行うための準備をする。 |
7 | 教材開発をする。 |
8 | 授業構成を計画検討する。 |
9 | 実施した授業の分析(評価)を発表する。 |
10 | 【近現代の教育学思想と自らの美術教育】 創造性と人間性の教育の理論を深める。ルソー・フレーベル教育学などを視野に入れる。 |
11 | デューイ教育学を講読し、検討を深める。 |
12 | ビクトール・フランクルの実存主義的理解を深める。 |
13 | 美術教育に関わって、各自の興味の持てる文献を講読する。 |
14 | 自己の理念を発表できるかたちに深めていく。 |
15 | 各自の目指す美術教育実践について、裏付ける理論紹介しながら自己の理念を発表する。 |
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テキスト・参考書 |
村田 利裕/新関 伸也【編著】、『やわらかな感性を育む図画工作科教育の指導と学び―アートの体験による子どもの感性の成長・発達』、ミネルヴァ書房 |
自学自習についての情報 |
・図書館やインターネット等の調べ学習や講読する研究があります。 ・フィールドワークなど実際にふれることが重要です。この授業では、各種の教育実習を準備し、計画する演習を含んでいます。 |
授業の形式 |
受講生のレポートと討議を中心とした演習形式で実施する。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
講読を発表型の演習形式にしている。実践計画を立案する演習をしている。調べ学習を実施している。約70パーセントがアクティブラーニング型である。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
(1) 教育実践の文献をまとめて発表する。30% (2) 重要文献を各自が選んで発表する。 30% (3) 最終レポート 40% |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
準備物・日程などの入った詳細なシラバスは、授業開始時に指示する。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
実務経験有り:高等学校の美術科・工芸科を担当.小学校・幼稚園・保育園や中・高等学校の実践支援の講習会を担当しています。 |