科目情報
科目名 バレーボール 
クラス − 
授業の概要  本授業では,バレーボールの特性に基づいたボール運動(ボール遊び)の方法について学習すると同時に,バレーボールの技術構造,ルール・マナー,および練習方法などに関する理論と実践について解説を加える.
 また,中学校・高等学校の体育授業におけるバレーボールの学習指導に必要な技術・方法,さらにはバレーボールの専門的な技術指導に求められる基礎的・応用的知識を学習するとともに,基本的な個人技術(基本技術:パス,レシーブ,スパイク,ブロック,サーブなど)や応用的な集団技術(ブロックシステム,レシーブシステム,コンビネーション攻撃など),および作戦・戦術などを習得し,6人制バレーボールゲームの展開とその企画・運営(トーナメント戦やリーグ戦など)・審判ができるようになることを目標とする. 
授業の到達目標 1.バレーボールの「運動の特性」を理解し,説明することができる.
2.学校体育におけるバレーボールの必要性や意義について説明することができる.
3.バレーボールを指導するために必要となる基本的な個人技術および集団技術を習得し,見本(模範)を見せながら説明する ことができる.
4.自チームに合った作戦・戦術を立てた上でバレーボールのゲーム展開ができるようになる.
5.バレーボールを楽しむ態度,安全にプレーする態度やルール・マナーを理解し,基本的なバレーボールの指導と,バレー  ボールゲームの企画・運営・審判(円滑なゲーム進行)をすることができる. 
授業計画
内容
1授業オリエンテーション:本授業を受講する心構えや,授業の基本的な学習内容や評価方法についての説明・確認.
 −安全な体育授業の指導とは?ボールで遊ぶ,ボールに慣れる,バレーボールの「運動の特性」を考えてみよう. 
2バレーボールの初歩的な楽しさとは何か?
 −個人技術の習得とその指導法について@:オーバーハンドパス,アンダーハンドパス,レシーブの技術に関する理  論と実践.パスやレシーブ技術を用いてパスゲームを楽しもう. 
3仲間とボールを繋ぐ楽しさを味わうためには,どのような技術を身につける必要があるのか?
 −個人技術の習得とその指導法についてA:1つのボールを対人でレシーブ,3-6人でレシーブし,ボールをつなぐ
  パスゲームでパス力やレシーブ力を高め,ゲームの中での連携や攻防を楽しもう.
 ● 個人技能小テスト1(対人パス100回連続). 
4攻撃の幅や守りの幅を広げる技術を学ぶ
 −個人技術の習得とその指導法についてB:スパイクとブロックの理論と技術の習得. 
5サーブレシーブからの攻撃を考える
 −個人技術の習得とその指導法についてC:サーブとサーブレシーブの理論と技術の習得.
 −チームを育てるプロジェクト(PBLに基づく授業の開始):チームとしての動きの理解,ゲームでのチーム・個人  としての動き方についての説明とチーム編成.
 ● 個人技能小テスト2(対人レシーブ). 
6集団技術や連係を高めるための練習@
 −ラリーの続く易しいゲーム<1>:サーブレシーブからの攻撃を考える,パスアタックによる攻撃と守備,サーブ  レシーブからトス,スパイクへの連係.サービスレシーブ・システムの理解と実践.
 ● 個人技能小テスト3(スパイク). 
7集団技術や連係を高めるための練習A
 −ラリーの続く易しいゲーム<2>:スパイクレシーブからの攻撃を考える,レシーブからトス,スパイクへの連   係,スパイク攻撃に対する守備.レシーブシフト(3−3,2−1−3,2−2−2など)の理解と実践. 
8集団技術や連係を高めるための練習B
 −簡易化されたゲームで攻防を楽しむ<1>:6人でのボール操作,チームとしての動きの理解,ポジションと役割の  理解.コンビネーション攻撃の理解と実践. 
9集団技術や連係を高めるための練習C
 −簡易化されたゲームで攻防を楽しむ<2>:ゲーム中におけるチームの中での動きの理解と実践,様々な攻撃に対  応するためにチームの中でどう動くのかを考える.ブロック・システム(バンチ,スプレッド)の理解と実践. 
10集団技術や連係を高めるための練習D
 −正式なゲームで攻防を楽しむ<1>:ゲーム実践,チームの課題等についてディスカッションしながら,チーム力  を高めよう. 
11集団技術や連係を高めるための練習E
 −正式なゲームで攻防を楽しむ<2>:ゲーム実践とゲーム分析を行い,チームの課題等についてディスカッション  しながら,チーム力を高めるよう. 
12チームを育てる,ゲームを楽しむ,リーグ戦を運営する@
 −リーグ戦形式によるゲーム実践<1>:ゲームマナー・ルール・審判法の理解. 
13チームを育てる,ゲームを楽しむ,リーグ戦を運営するA
 −リーグ戦形式によるゲーム実践<2>:チームメンバーが協力しながらチームを育てる. 
14チームを育てる,ゲームを楽しむ,リーグ戦を運営するB
 −リーグ戦形式によるゲーム実践<3>:チームを分析し,チーム力を高め,バレーボールの攻防を楽しむ.
 ● 個人技能テスト4(サーブ). 
15対抗試合(ゲーム)による個人技能テスト5(総合)および授業のまとめ. 
 
テキスト・参考書 1.テキストは使用しない.
2.参考図書等
 ・日本バレーボール協会編「バレーボール指導教本」大修館書店.
 ・日本バレーボール協会編「6人制バレーボール競技規則」. 
自学自習についての情報  この授業科目は,実技1単位(大学設置基準;1単位45時間,45時間?45分授業=2,025分)であるが,実際の授業時間の合計は「週90分?15週=1,350分」(=30時間分)にしかならないため,受講生が本授業1単位を修得するためには,授業時間とは別に不足分の675分(=1週間に45分?15週=15時間分)の課題(自主学習等)をホームワークとすることが必要である.
 授業の前半(1〜5回目)は個人技能の習得・向上に重点を置く.5種類の個人技能テスト(3・5・6・14・15回目)を実施するので,各自が自主練習を行い,実技力の向上に努めておくこと.
 授業の後半(6〜15回目)は、チームでの活動を中心とした集団技術を学習する内容となる.授業の振り返り(学習ポートフォリオの作成)とともに,参考図書等をもとに,作戦・戦術や動き方,指導法について学習を深めておくこと. 
授業の形式 体育館において,講義および実技を中心とした授業を実施する. 
アクティブラーニングに関する情報 ・授業の後半は、PBL(チームごとに分かれ,チームを育てるプロジェクト)による授業を行う.
・チーム単位でチームの課題を分析し,練習方法やゲームの作戦・戦術を考え,実践する. 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  授業への主体的な参加態度・学習意欲および実技課題への取組度などによる平常点評価,個人技能テスト(5回),およびチームノートの内容・チーム戦績(リーグ戦形式)を総合的に評価する。
 評価基準は,以下に示す通りである.
  (1) 平常点評価:30%
  (2) 個人技能テスト(5回):50% ※ただし,最低限3つ以上の技能テストに合格しなければならない.
  (3) チームノートの内容・チーム戦績:20%
 なお,正当な理由のない遅刻は平常点の減点対象となると同時に,開講授業時数の1/3以上を欠席した場合は単位認定することができない. 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ・高校までの体育の授業とは異なり,保健体育科教員になる者としての心構えを持って授業に参加してほしい.
・単に授業を楽しむのではなく,様々な活動を通して,バレーボールの「運動の特性」や技術構造,ルール・マナー,および 指導方法などを考え,学習することを意識してほしい.
・服装,体育館シューズ,装飾品等については,将来,保健体育科教員になる者として意識して対応すること.
・授業に関する質問や学習相談がある受講生は,授業終了後にお願いします.
・教育実習等で授業を欠席する場合は,各自でその時間の学習内容を理解し,自主練習しておいてください. 
担当講師についての情報(実務経験)  担当講師はこれまでに,地域スポーツの経営や学校の体育経営に関する講演・講習会・研修会等の講師を数多く務めた経験を有するとともに,大学(前任校)にて男子バレーボール部(指導当時は1部リーグ所属チーム)の顧問(部長・監督)を務め,20年間の指導経験を有する.
 また,地域スポーツの推進に関しては,(公財)日本スポーツ協会のアシスタントマネジャーの資格を有し,多くの総合型地域スポーツクラブの育成や経営のあり方などに対する助言・指導も行ってきた.こうした現場経験を通して学んだことをこの授業にも活かしていきたい.