科目情報
科目名 教育心理学特論II 
クラス − 
授業の概要 学力・知能・学習・性格・集団などの学校現場における教育評価やアセスメントのあり方について論じる。併せて、学習指導の改善についても論じる。 
授業の到達目標 学校現場で有効な教育評価の技法や「個」に応じた学習指導法、発達的アセスメントなどが理解でき、 実践に生かせるようになることを目指す。 
授業計画 【テキスト・参考書及び自学自習についての情報】
資料としてプリントを毎時間配布する。参考書は必要に応じて、授業中に紹介する。心理検査や学習指導のビデオの視聴も行う。
内容
1教育評価・心理教育的アセスメントとは(1)
 アセスメントに基づく支援とは,アセスメント計画,生態学的アセスメント,学校心理学や臨床発達心理学におけるアセスメント 
2教育評価・心理教育的アセスメントとは(2)
 アセスメントにおける倫理,インフォームド・コンセント,テストバッテリーの活用と留意点,事例研究のまとめ方 
3発達の捉え方
 発達段階,発達の連続と非連続,質的発達と量的発達,発達心理学の諸理論(ピアジェ,ヴィゴツキー,エリクソン,フロイトなど) 
4心理教育的アセスメントの方法(1)
 調査法,観察法,面接法,テスト法,記録のまとめ方,心理検査の信頼性と妥当性 
5心理教育的アセスメントの方法(2)
 インフォーマルアセスメントとフォーマルアセスメント,アセスメントの進め方,アセスメントと支援との関係,フィールドの中の発達,心理学的アプローチ,医学的アプローチ,教育工学的アプローチ,包括的視点とは 
6心理検査の活用 学校現場でよく用いられる質問紙法,作業検査法,投影法を紹介する。特に,知能検査(WISC-W・田中ビネー),発達検査(新版K式2001),認知能力検査(KABC−U),学力検査(CRT,NRT)を紹介する。  
7特別支援教育と心理教育的アセスメント
 障害の種類,障害特性の理解と指導 
8心理教育的アセスとメントと支援
 PDCAサイクル,アセスメントから支援までの流れ,支援計画,支援仮説,支援目標,事後評価,個別の指導計画と個別の教育支援計画 
9学校・学級のアセスメント
 学級風土,学級内の人間関係,援助資源のアセスメント,Q−U,学級評価・学校評価の在り方 
10教育評価(1) 
 指導と評価の一体化,診断的評価・形成的評価・総括的評価,目標に準拠した評価と集団に準拠した評価,個人内評価,評価規準と評価基準 
11教育評価(2)
 ポートフォリオ評価,ルーブリック,パフォーマンス評価,学校評価と教員評価 
12教育評価(3)
 進路指導(キャリア教育)と評価,入試制度,調査書,大学入試センター試験と特別措置 
13学習指導(1)
 習熟度別指導,発展的学習,補充学習,少人数指導,T.T. 
14学習指導(2)
 少人数指導,複式学級の指導法(間接指導・ガイド学習・合同学習・集合学習) 
15学習指導(3)
 道徳科の評価,総合的な学習の時間・総合的な探究の時間の評価,特別活動の評価,生徒指導の評価
全体のまとめ 
 
テキスト・参考書 教科書 心理科学研究会(編)中学・高校教師になるための教育心理学 第4版 有斐閣 2020年
必要に応じて参考書を指示します。 
自学自習についての情報 授業には真剣に取り組んで欲しい。必要な文献や図書は必ず購入すること。 
授業の形式 プリントを中心とした講義形式をとる。心理検査のビデオの視聴も行う。心理検査の体験も時間が許せば行いたい。必要に応じて参加者同士のディスカッションの場を設けたい。 
アクティブラーニングに関する情報 受身的でなく、能動的に授業に参加して下さい。複数回のレポート提出を求めます。レポートを書くためには、学会誌や図書を読みこなすと共に、論理的な文章展開ができることを期待します。
誤字・脱字、重要文献の欠落、誤った解釈などの完成度に問題のあるレポートは、合格するまで再提出を求めます。出席も取りますので、無断欠席等があれば単位の修得は困難になります。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 数回にわたるレポートによる評価を行う。出席状況や受講態度(内職・居眠り厳禁)も考慮する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 本科目は「学校心理士」資格取得のための必修科目です。:「5心理教育的アセスメント」の(1)(2)(3)(4)(5)に該当する。「教育心理査定実習」を受講するための,基礎科目となる。
本科目は、学校心理士資格取得及び専修免許状「学校心理学」付記に必要な科目であるが,実習は含まない。そのため、資格取得希望者は必ず「教育心理査定実習」を併せて履修すること。
また,臨床発達心理士の「臨床発達心理学の基礎に関する科目」に該当する。
資格取得を希望しない現職教員の履修も歓迎する。学習指導要領についても目を通して欲しい。 
担当講師についての情報(実務経験) 学校心理士SV,臨床発達心理士SV,特別支援教育士SV,キャリアカウンセラー、ガイダンスカウンセラーの資格を有し、教育関係者や心理職との連携を取っている。