科目情報
科目名 人格理解のための理論と臨床技法 
クラス − 
授業の概要  児童・生徒理解や保護者理解を行う上で、心のモデルとなる理論的枠組みをもつことが役に立つ。こうした人格(パーソナリティ)理論は、他者を理解する上でも有効であるが、同時にかかわり手自らの自己理解を助けることにもなる。臨床心理学で用いられるいくつかの力動的な人格理論について概説し、教師の学校臨床力の向上を目指す。
 また、臨床実践で用いられる表現技法やアセスメントについても体験する機会を設け、教師自身の自己理解や他者理解の実践的な経験の場を提供する。 
授業の到達目標 ・臨床心理学における力動的な人格(パーソナリティ)理論を学ぶ。
・心理臨床で用いられる実践技法を用い、自己・他者理解を促進する。 
授業計画
内容
1オリエンテーション:人格(パーソナリティ)理論と臨床技法 
2人格(パーソナリティ)理論1(精神分析理論1):エディプスコンプレックスや自我・イド・超自我といった構造モデルについて検討する。 
3人格(パーソナリティ)理論2(精神分析理論2):自由連想法と精神分析療法、また防衛機制について検討する。 
4人格(パーソナリティ)理論3(分析心理学):ユングの分析心理学の考え方、相補性、集合的無意識、元型について検討する。 
5人格(パーソナリティ)理論4(対象関係論):クラインとウイニコットを軸に対象関係論の考え方を検討する。 
6人格(パーソナリティ)理論5(自己心理学):コフートに始まる自己心理学とシステム理論を検討する。 
7人格(パーソナリティ)理論6(精神分析的発達論):エリクソンの発達観を中心に精神分析的な発達論を検討する。 
8描画法1(バウムテスト):基本的な描画法であるバウムテストについて紹介する。 
9描画法2(スクイッグル):治療的相互交流を目指すスクイッグルについて紹介する。 
10描画法3(風景構成法):アセスメントと治療的関わりの両面で用いられる風景構成法を紹介する。 
11箱庭療法1(箱庭療法の理論):箱庭療法の進め方と理解のポイントを検討する。 
12箱庭療法2:受講者同士による箱庭作成を行う。 
13箱庭療法3:受講者同士による箱庭作成を行う。 
14箱庭療法4:受講者同士による箱庭作成を行う。 
15箱庭療法5:受講者同士による箱庭作成を行う。 
 
テキスト・参考書 参考書: 氏原・杉原共編(1998)『臨床心理学入門 −理解と関わりを深める−』創元社
参考書: 青木紀久代編著(2013)『徹底解剖 臨床心理学』新星出版社
 
自学自習についての情報 上記の参考書の他に、角田他編著(2016)『子どもを育む学校臨床力――多様性の時代の生徒指導・教育相談・特別支援』創元社にも、フロイトやユングの考え方を紹介しているので、参照のこと。 
授業の形式 講義・演習・ロールプレイ 
アクティブラーニングに関する情報 #1〜#7はグループディスカッションを毎回行う。
#8以降は、体験学習を行いながら授業を進める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への積極的な参加(30%)
ならびにレポート評価(70%) 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特になし 
担当講師についての情報(実務経験)  公認心理師・臨床心理士である教員が、臨床経験を踏まえて授業を行う。