科目情報
科目名 障害児教育特論I 
クラス − 
授業の概要 本科目は、現在の日本における障害児教育(特別支援教育)が直面している諸課題もふまえ、障害児教育の歴史的な流れやその社会背景を学び、理解することを目的とする。具体的には、日本の近代化(資本主義化)と重ね合わせて障害児教育のあゆみをとらえ、盲教育・ろう教育を中心とした障害児教育の嚆矢、障害者「有用」論、学校教育からの障害児・貧困児の排除(就学猶予・免除規定の変遷)、生涯にわたる障害者支援を目指した施設の取り組み(滝乃川学園など)、特別学級史、医療・教育を結びつけ生活を保障した治療教育の実践化(三田谷治療教育院、八事少年寮など)、戦時下における障害者問題、戦後教育改革における障害児教育の位置づけ、学校工場方式に象徴される「適応」主義的教育、近藤益雄の綴り方教育、重症心身障害児問題の顕在化と展開、糸賀一雄の発達保障論、就学保障運動などを取り上げる。 
授業の到達目標 近代以降の障害児教育の歴史を学ぶことで、現状と諸課題、その歴史的変遷と到達点、諸課題を解決するための将来的な展望について理解すること。 
授業計画
内容
1障害者権利条約の発効など、障害者問題をとりまく国際的動向と到達点 
2ユネスコやOECDら国際的な「特別なニーズ教育」の動向 
3日本における「特殊教育」から「特別支援教育」へという制度改革の意義と問題点 
4日本の近代化と障害者「有用」「無用」論 
5義務教育制度の確立と就学猶予・免除規定 
6障害者の生涯にわたる支援の試み(滝乃川学園) 
7学校以外での特別な教育(早崎春香らの取り組み:内務省感化院、司法省幼年監) 
8知的障害児や貧困児、虚弱児への特別な教育(貧民学校、林間学校、特別学級など) 
9医療・教育・生活の同時的保障に取り組んだ治療教育施設(三田谷治療教育院、八事少年寮など) 
10戦争と障害者問題 
11戦後教育改革における障害児教育の位置づけ 
12実験校の設置と学習指導要領の作成 
13「適応」主義的な学校工場方式と近藤益雄の教育実践 
14重症心身障害児への療育の試みと糸賀一雄の発達保障思想 
15就学保障運動 
 
テキスト・参考書 レジュメや資料は適宜配付します。 
自学自習についての情報 ・授業で配布する資料はかなりの分量になります。授業の前後に自宅でに目を通してください。
・文科省のHPで閲覧可能な『学制百年史』は近代教育史、特殊教育史の概略について手軽に学べます。できるだけ講義前に観ておいてください。
・余力のある人は、図書館で文部省『特殊教育百年史』を読んでみてください。
・滝乃川学園、三田谷治療教育院などはHPがあるので、事前に見ておいてください。
 
授業の形式 講述を中心にすすめる。授業の最後ににコメントを提出させる(1日1枚)。 
アクティブラーニングに関する情報 適宜、グループディスカッションを行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) レポートによる試験。
レポートの他、出席状況(最低12時間受講)や上記のコメントの内容を評価の参考にする。
レポート90%、出席状況10%(ただし、受講時間11時間以下の場合は評価の対象にしない)
 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 他専攻の方も歓迎します。歴史を学ぶことは過去を知るだけでなく今(現在)を理解し未来を展望することです。
昨年度までの受講生の意見を参考として、これまで以上に原資料や映像による資料を活用する。 
担当講師についての情報(実務経験)