科目情報
科目名 人権と法 
クラス − 
授業の概要 人権とは、人間が人間として当然に持っている権利であり、国際社会では、国連が各国政府が当然保障すべき基準、条件として条約化されている。
しかし、それは人類の歴史をみれば、ごく最近のことである。人権という考え方が西洋近代で生まれてから300年余、国際的に保障されなければならないと考えられるようになって70年余にしかならないからである(世界人権宣言が国連総会で採択されたのは1948年)。皆さんは「日本国憲法」の講義を履修する、あるいは、履修しているので、さらに広く、あるいは、個別論点については深く、憲法や人権、法をとりまく問題を考えていきたい。生徒、学生への人権教育をどうしたら良いかという視点で考えながら、講義に参加して欲しい。
 
授業の到達目標 1.人権問題を自身にひきつけて考えるようになる。自分が当事者であること、あり得ることを自覚する。
2.社会にある様々な人権問題や差別問題について理解し、自らの視点を持って意見を述べ、解決の道筋を考えることができる。 
授業計画
内容
1イントロダクション 
2人権という考え方、立憲主義という考え方の歴史を振り返る 
3人権の国際的保障という現在の考え方を学ぶ 
4人権と主権、国民国家の成立の関係を学ぶ 
5自由民権運動、大日本帝国憲法の制定という明治デモクラシー、大正デモクラシーを捉え返す 
6敗戦と日本国憲法の制定という現在のデモクラシーを捉え返す 
7小テスト@と解説 
8表現の自由とヘイトスピーチについて考える 
9いじめと人権について考える 
10部落差別と人権について考える 
11小テストAと解説 
12障害者差別と人権について考える 
13外国人差別、国籍差別と人権について考える 
14水俣病、ハンセン氏病、エイズ(HIV)と人権について考える 
15ふりかえり・まとめ 
 
テキスト・参考書 参考書:
木村草太(2016)『憲法という希望』講談社現代新書
渋谷秀樹(2017)『憲法への招待 新版』岩波新書
師岡康子(2013)『ヘイトスピーチとは何か』岩波新書
肥下彰男・阿久澤麻理子編(2015)『地球市民の人権教育−15歳からのレッスンプラン』解放出版社
ヒューマンライツ・ナウ編(2009)『人権で世界を変える30の方法』合同出版 
自学自習についての情報 日本や世界の人権に関する情報は、日々溢れているので、新聞やインターネット等のメディアを活用して人権に関する情報に触れ、常に考えること。
 
授業の形式 レジュメ、資料等を使用した講義を中心に進める。人権に関するDVDを視聴し、グループ・ディスカッションを行う。小テスト、レポート課題などで、授業を振り返る。
 
アクティブラーニングに関する情報 グループ・ディスカッションを行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 1)授業への積極的参加と2回の小テスト(40%)
2)期末レポート。人権問題、差別問題を1つ取り上げ、概説した上で、自身の見解を論述する。講義最終回に提出する(60%) 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  
担当講師についての情報(実務経験) 1991年に弁護士登録をして以来、弁護士として民事事件、家事事件、医療過誤事件、難民事件、刑事事件を多数担当。HIV訴訟や在韓被爆者訴訟などの集団訴訟も担当。