科目情報
科目名 微分方程式 
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授業の概要  本講義では微分積分の応用として、微分方程式の解法と現象との関連を学習する。数学的に微分方程式を解くことができるようになることだけでなく、微分方程式の持つ意味について現象と関連づけ、その意味について説明できるようになることが目的である。また、微分方程式を用いた数理モデルの手法についても理解したい。 
授業の到達目標 ・基本的な1階の微分方程式が解ける。
・基本的な2階の微分方程式が解ける。
・微分方程式を解くことの意味が説明できる。
・現象との関連が説明できる。
・数理モデルの手法について説明できる。 
授業計画
内容
1人口問題、数理モデル化、微分方程式の用語と基礎概念 
21階微分方程式の解法(変数分離形) 
3人口問題再考、数理モデルの再検討、数理モデルの手法 
4現象と微分方程式(実験と考察) 
5現象と微分方程式(予測と検証) 
6力学的振動、数理モデル化 
72階線形微分方程式の解法(定数係数斉次) 
8線形独立と線形従属、Wronskian 
9力学的振動再考、数理モデルの再検討 
102階線形微分方程式の解法(定数係数非斉次)、共鳴 
11非線形微分方程式、競争種の相互作用、数理モデル化 
12連立微分方程式の解法 
13Picardの逐次近似法 
14局所解と大域解 
15まとめ 
 
テキスト・参考書  テキスト
・理工基礎 常微分方程式論、大谷 光春 著、サイエンス社、ISBN-13:978-4-7819-1273-8

 参考書
・微分方程式で数学モデルを作ろう、D.バージェス-M.ボリー 共著、垣田 高夫-大町 比佐栄 訳、日本評論社、ISBN:4-535-78173-7
・理工系の微分積分学、吹田 信之-新保 経彦 共著、学術図書出版社、ISBN-13:978-4-87361-119-8
・現象から微積分を学ぼう、垣田 高夫-久保 明達-田沼 一実 共著、日本評論社、ISBN-13:978-4-535-78647-9
・数学で物理を、武部 尚志 著、日本評論社、ISBN-13:978-4-535-78469-7 
自学自習についての情報  予習復習としてweb上に用意された自習シートを毎時間の講義の前に解き、講義の後に公開される解答例を参考に修正を行う。 
授業の形式  講義と演習、学習記録表の記入。 
アクティブラーニングに関する情報  講義内では演習の時間を多く取り、また自習シートによる主体的な活動を促す。グループ活動による測定実験も行いつつ数理モデリングの手法を学ぶ。  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  試験100点(講義と演習、自習シートで取り扱った内容から60点以上出題)。ただし、学習記録表や自習シートの提出などにより加点を行うことがある。 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  微分方程式は様々な現象の解明の手段として有用であり、数学が実社会に役立っている例の1つである。ここでは、微分積分のみならず中学校や高等学校で学習する様々な関数領域の学習内容を道具として用いるため、受講者にとって、数学の有用性を実感しやすいと思われる。数学を学習する意義を理解することは高等学校教員志望の学生のみならず、小・中学校教員志望の学生にとっても非常に大切である。厳密な数学の理論を学ぶことも大切ではあるが、ここでは数理科学という視点に立ち、数学と多分野との関連についてもふれることでその有用性も感得したい。
 この講義では関数電卓を使用するため持っていない学生には例えばCASIO 関数電卓 fx-375ES-N等を生協を通じて紹介するので事前に確認すること。
 授業アンケートから、他分野との関連について興味を持つ学生が多くいることが分析でき、引き続き測定実験等の数学的活動を重視して講義を行う。また、数学領域専攻以外の学生の受講も推奨し、他専攻の学生が受講した際には予備知識について自習シートで支援を行う。
 この講義は2回生以上が対象である。 
担当講師についての情報(実務経験)  イタリアパヴィア大学での研究員を経て、2003年に博士(理学)を取得。中学校、高等専門学校での勤務を経て、2009年に京都教育大学に准教授として赴任。2016年より現職。詳しくは「http://math.kyokyo-u.ac.jp/~fukao/fproj.html」を参照。