科目名 |
学校図書館メディアの構成 |
クラス |
a |
授業の概要 |
学校図書館におけるメディアの構成に関する理解及び実務能力の育成を図る。学校図書館の専門的職務を掌る司書教諭として,多様な学校図書館メディアの種類と特性を理解し,児童生徒や教員の利用に有効な情報資源組織化の実務能力を備えるための基本的知識を身につけることを目的とする。 学校図書館の 3 つの機能である「読書センター」「学習センター」「情報センター」として,学校教育の中で役割を果たしていくためには,多様な学校図書館メディアの特性を理解しておく必要がある。またそれらが有機的に働くためには,系統的に収集し,整理(組織化)して保存し,的確に児童生徒や教員に提供できるように構築しておくことが重要である。 授業では,まず,学校図書館メディアそのものに目を向け,これらを用いた学校教育活動に対する支援の諸相を説明する。 次に,学校図書館において多様な学校図書館メディアを扱うことができるよう,実践的な知識と技術を身につけるために,認識しておくべき内容と必要に応じて実務が行える内容の双方を解説したのちに演習を行う。 担当者は教員・学校司書としての実務経験を有し,その経験を活かして具体的で豊富な事例を適宜紹介しながら,学校図書館におけるメディアの構成の特徴や留意点について解説する。同時に,それらの実践がどのような理念に基づいているものかを説明し,理論(学問知)と実践(経験知)の往還を意識しながら,学びを深化させていく。 |
授業の到達目標 |
・学校図書館の多様なメディアの特性を知り,適切な選択と収集を経てコレクションを構成し,利用者への提供のあるべき姿 を考究できる。 ・学校図書館における情報資源の組織化について理解を深め,基本的な目録作業,分類付与,件名付与ができる。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | 学校図書館メディアの定義及びその意義 |
2 | メディア構成の要点(知識と技術の両面において) |
3 | 学校図書館メディアの種類と特性 |
4 | 印刷・視聴覚メディアの選択と収集 電子メディア利用の環境整備 |
5 | コレクション形成の意義と実際@:収集方針や評価ツールの意味 |
6 | コレクション形成の意義と実際A:コレクション評価の手法 |
7 | メディアへの物理的・知的アクセス支援 |
8 | 分類法を用いたメディアの組織化(日本十進分類法等の理論解説) |
9 | 分類法を用いたメディアの組織化 演習(教育課程を意識して) |
10 | 件名法を用いたメディアの組織化 基本件名標目表・シソーラス等の理論解説と演習(学習件名の有効性) |
11 | 目録法を用いたメディアの組織化(日本目録規則・MARC等の理論解説) |
12 | 目録法を用いたメディアの組織化 演習(教育課程を意識して) |
13 | 目録の機械化 |
14 | 多様な学習環境と学校図書館メディアの配置 |
15 | 学校図書館メディアの構成における課題と展望 |
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テキスト・参考書 |
テキスト:小田光宏編『学校図書館メディアの構成』樹村房,2016. -- ISBN9784883672523 参考書:野口武悟編『学校図書館基本資料集』初版, 全国学校図書館協議会,2018. -- ISBN:9784793300981 p.160-195 を授業中に参照するが、購入必須ではない。 |
自学自習についての情報 |
@:テキスト第 1 章熟読。出身校の学校図書館のメディアを想起。 A:テキスト第 2,3章熟読。B:テキスト第 4章熟読。実物を想起。C:テキスト第 5,6章熟読。印刷・ 視聴覚メディアの収集事例や,電子メディアを積極的活用の学校の事例を把握。D:テキスト第 7,8,9章熟読。学校図書館におけるコレクション形成の特徴が読み取れる事例を調査し理解。E:同左。 F:テキスト第 10,11章熟読。「物理的アクセス」と分類法,「知的アクセス」と目録法の関係性を理解。G:テキスト第 12 章熟読。参考文献のp.160〜178に目を通す。H:公共図書館と対比させながら,教育現場での分類法の特色にあてはまるような具体例を調査。I:テキスト第 14 章熟読。参考文献のp.179〜180,194〜195に目を通す。大学図書館OPACなどを検索し比較。J:テキスト第 13 章熟読。参考文献の 181〜187 ページに目を通す。 大学図書館OPACなどを検索し比較。K:同左。 L:様々な館種の OPAC を比較。M:特別支援学校や,多様な背景を持つ児童生徒が在籍している学校における学校図書館の役割を理解。N:テキスト第 15 章を参考に,自分なりの課題を持つ。 |
授業の形式 |
学校図書館に関する科目の中で、最も実務的な内容の多い科目なので、講義中心ではあるが、演習課題等も用意する。演習課題やパフォーマンス課題については、授業内等でフィードバックを行う。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
グループ・ディスカッションなどのピアラーニングやプレゼンテーションを行う。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
1) 自習課題(30%)各回で課した課題への取り組み度および、内容の習得度を評価する。 2) 演習課題(30%)日本十進分類法,日本目録規則,基本件名標目表に関する演習課題や,作成物の完成度を評価する。 3) パフォーマンス課題(40%)司書教諭として,学校教育の中に学校図書館メディアを体系的に位置づけるために必要となる知識が修得できているかを評価する。 |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
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担当講師についての情報(実務経験) |
担当者は教員・学校司書としての実務経験を有し,その経験を活かして具体的で豊富な事例を適宜紹介しながら,学校図書館におけるメディアの構成の特徴や留意点について解説する。同時に,それらの実践がどのような理念に基づいているものかを説明し,理論(学問知)と実践(経験知)の往還を意識しながら,学びを深化させていく。 |