科目情報
科目名 社会科教育教科内容論V 
クラス − 
授業の概要 2022年度から高等学校で実施される新しい学習指導要領で「地理総合」が必履修化される。このことから、高等学校地理歴史科の新任教員、さらにその影響をうける中学校社会科の新任教員にとって、地理的な見方・考え方を身につけておくことが不可欠である。そこでこの能力を能率的に整えるため、地理的な見方・考え方の面白さに気付くと同時に、校外学習や修学旅行で「地域の何を観るべきか」を提案できるようにする。
具体的には、地域経済を支える対象地域に関する論文や記事を事前に読み、現地に2泊3日で滞在のうえ、文献では学べないフィールドワークによって理解の深化を図る。また、訪問地域の地形図を活用して、教員採用試験や大学入試問題で頻出する地形図読図に関わる模擬問題を作成し、その解答・解説作業によって優れた試験問題を作成できるようにする。
対象地域は、近畿地方からの修学旅行先として選定されることが多い長崎市とその周辺とする。
なお、授業計画欄に記す予定は、あくまで15週間に相当させて記したものであり、本授業科目はごく一部を除いて集中講義として実施する。
★現地実習日程は受講希望者と相談して決める。
★交通費および滞在費の合計で5万円前後の費用を要する。
★受講希望者が女子学生1名だけの場合は実施しない。
 
授業の到達目標 文献講読などの座学だけでは身につけることができない「地理的な見方・考え方」を、現地での観察や聴き取りを通じて深化させることができるようになる。こうしたフィールドワークで得られる技能や能力は、新しい学習指導要領のもとで強調される「主体的・対話的で深い学び」を促すのに欠かせないものである。。 
授業計画 ※複数教員が担当する授業科目は、各教員が担当する回について分かるように明記してください。(この説明文は削除してください。)
内容
1【第1回目相当:事前学習(1)】本授業科目についてのガイダンスと諸注意 
2【第2回目相当:事前学習(2)】対象地域に関する文献の模索について、および文献収集 
3【第3回目相当:事前学習(3)】対象地域に関する地形図読図模擬問題の作成 
4【第4回目相当:事前学習(4)】対象地域に関する地形図読図模擬問題をめぐる解答と解説 
5【第5回目相当:事前学習(5)】現地フィールドワークに向けての確認作業 
6【第6回目相当:現地実習1日目(1)】正午前後にJR長崎駅「みどりの窓口」付近で現地集合。九州新幹線長崎ルートの開業を前にした長崎駅周辺の都市開発に関わる現地観察と解説、および現地討論。 
7【第7回目相当:現地実習1日目(2)】原爆の爆心地としての浦上地区の現況と平和教育についての現地観察と体験@(浦上地区市街地、長崎原爆記念館など) 
8【第8回目相当:現地実習1日目(3)】原爆の爆心地としての浦上地区の現況と平和教育についての現地観察と体験A(平和公園、如己堂など、および長崎文化歴史博物館、眼鏡橋周辺) 
9【第9回目相当:現地実習2日目(1)】産業遺跡としての端島(軍艦島)訪問または池島炭坑体験ツアー@)(移動途上での長崎の地形と産業立地の解説および観察、現地討論) 
10【第10回目相当:現地実習2日目(2)】産業遺跡としての端島(軍艦島)訪問または池島炭坑体験ツアーA(現地での解説と観察、現地討論[前半:主に日本のエネルギー政策をめぐって]) 
11【第11回目相当:現地実習2日目(3)】産業遺跡としての端島(軍艦島)訪問または池島炭坑体験ツアーB(現地での解説と観察、現地討論[後半:主に産業遺産を活用した観光振興をめぐって]) 
12【第12回目相当:現地実習2日目(4)】長崎市内の重要伝統的建造物群保存地区[東山手・南山手]を中心としたアーバンツーリズムの具現化に関する現地解説と観察、現地討論) 
13【第13回目相当:現地実習2日目(5)】長崎市街地に根付く異国文化の現地解説と観察、現地討論@(孔子廟、唐人屋敷跡など) 
14【第14回目相当:現地実習3日目(1)】長崎市街地に根付く異国文化の現地解説と観察、現地討論A(新地中華街など) 
15【第15回目相当:現地実習3日目(2)】長崎市街地に根付く異国文化の現地解説と観察、現地討論B(復元された出島など)、正午前後に浜町商店街またはJR長崎駅にて現地解散。 
 
テキスト・参考書 授業を進めていく過程で地理学や周辺分野からなされた当該地域に関わる文献を指示する。受講生からの情報提供にも期待したい。 
自学自習についての情報 事前学習はおもに文献講読や地形図読図問題の作成となる。これらの作業は自学自習無くしてはなしえない。 
授業の形式 【事前学習】講義及び演習
【現地実習】フィールドワーク
【振り返り】宿舎での反省会(必要に応じてミニレポートを課すことがある) 
アクティブラーニングに関する情報 ひとたびフィールドに立てば、そこでの観察・聴き取り・質疑は、すべて主体的かつ対話的な活動が下支えになっており、本授業科目は全ての内容がアクティブラーニングであるとみなせる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 受講態度(出席回数ではなく、事前学習や現地行動の際の積極性)で総合的に評価する。
なお、受講生数が本学所定の人数よりも多い場合は、成績分布を本学の基準に合わせるが、所定人数に満たなかった場合はこの限りではない。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 受講生数が授業評価アンケートの基準に満たないため、特記事項なし。 
担当講師についての情報(実務経験) 教育研究実績については、CiNii、NDL-OPAC等で著者検索をすればみることができます。
また、科研費の採択状況については「KAKEN香川貴志」で検索をお願いします。