科目名 |
英語学特論II |
クラス |
− |
授業の概要 |
本年度の授業では、英語の与格交替現象に焦点を当て、生成文法および認知言語学の研究成果を活用し、理論横断的な研究を行う。認知言語学の構文理論としては、Construction Grammar を取り上げ、二重目的語構文および移送使役移動構文に対する同理論の妥当性について考察するとともに、英語教育への活用についても検討を加える。英語学研究と英語教育の接点について考究する一助としたい。生成文法および認知言語学の基礎知識を習得済みであることを前提として授業を進める。 |
授業の到達目標 |
1.Pinker の語彙意味論(lexical semantics)の言語観が理解できるようになる。 2.Goldberg の構文文法(Construction Grammar)の言語観が理解できるようになる。 3.Green, Oehrle等の古典的研究からHilpertやDiesselの文法ネットワーク研究までの幅広い視野で二重目的語構文の諸相を理解できるようになる。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション |
2 | 生成文法および認知言語学の言語観 |
3 | 語彙意味論 |
4 | 語彙意味論と与格交替 |
5 | 二重目的語構文 |
6 | 移送使役移動構文 |
7 | 与格交替の諸相 |
8 | 与格交替の諸制約 |
9 | 中間振り返り |
10 | 構文文法と与格交替 |
11 | 構文文法と二重目的語構文 |
12 | 課題研究(1):与格交替と構文の習得 |
13 | 課題研究(2):与格交替と英語教育 |
14 | 課題研究(3):与格交替研究と今後の課題 |
15 | 本授業のまとめ |
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テキスト・参考書 |
テキスト: 講義資料を配布する。 参考文献の一部を以下に挙げる。 ・理論言語学と英語教育の接点について 藤田耕司他(編)(2012)『最新言語理論を英語教育に活用する』開拓社. ・構文文法理論とその応用について Goldberg, Adele. (2019)Explain Me This: Creativity, Competition, and the Partial Productivity of Constructions. Princeton University Press. |
自学自習についての情報 |
専門性の高い英文を正確に読むため、十分な予習をして授業に臨むことが必須である。英語学の基礎知識についても必要に応じて事前に学習して授業に出席すること。具体的には授業中に説明する。 |
授業の形式 |
講義と演習 |
アクティブラーニングに関する情報 |
ペアワーク、グループワーク、全体討論を実施する。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業へ積極的な参加態度・口頭発表・課題提出(40%)およびレポート試験(60%)を総合的に評価する。 |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
課題研究では研究発表を実施する。協働的学習に積極的に参加してもらいたい。授業以外での課題学習については受講者の関心に応じて十分な配慮をしたい。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
高等学校での指導経験を活かし、本授業が言語学の専門領域にのみ留まることなく英語教育にも資するような授業運営を心掛ける。 |