回 |
内容 |
1 | オリエンテーション:教職の在り方についての全体構造を示し、本科目がどのような観点からどのような領域を扱うかを提起し、本科目の全体の構成や展開を示す。また教職専門職基準を参照し、本講義のねらいについて理解を深める。 |
2 | 学校教育の法制度と教員の身分・服務:教員の身分と服務、法的責任に関して基本事項について概説を行う。 |
3 | 教育の中立性と教員の職務規範:教員に求められる政治的、宗教的な中立性について、それが具体的に問われたこれまでの事例を分析することによって検討し、どのような職務規範が求められているかを考察する。 |
4 | 教員の思想、良心の自由と職務規範:入学式や卒業式において、学習指導要領では、日の丸を掲揚し、君が代を斉唱するよう指導することが求められているが、教職員個人の思想、良心の理由から、特に君が代斉唱の際に起立、斉唱するという職務命令に従わず、処分される事例が繰り返されてきたが、そうした処分をめぐる裁判例を検討し、思想、良心の自由と職務規範の関係について考察する。 |
5 | 児童・生徒及び保護者と学校・教員の法的責任:学校・教員は、児童、生徒、保護者に対して、どのような法的責任を負っているのか、児童、生徒、保護者は、学校や教員に対してどのような権利を有しているのか、両者の関係について考察する。 |
6 | 親権と学校・教員の役割との関係:児童虐待防止に関して、学校・教員には一定の義務があり、子どもの利益を守るために、親権を有する保護者と向き合うことが求められる。教員として保護者にどのように向き合うべきか、親権に対して教員はどのように関わる必要があるのか考察する。 |
7 | 教員の懲戒権とその限界:教師の児童、生徒に対する懲戒に関する問題事例を取り上げ、懲戒権の性質と限界について考察する。 |
8 | 児童・生徒の安全を守る学校・教員の法的責任:学校・教員は、児童、生徒の安全を守るという点でどのような法的責任を負っているのか、事例に即して検討する。 |
9 | 教員人事のシステムと実際:教員の採用や異動、また分限や懲戒について、それらがどのようなシステムとなっているのかを明らかにし、その具体的な問題を取り上げて事例分析を行う。 |
10 | 教員評価:学校改善は教員の職務改善を通してのみ可能であり、教員の職務遂行評価としての教員評価が学校改善のための学校評価の中核に位置づけられる構造を示し、教員の客観的な職務分析を通した教員評価の在り方を事例の検討を通して行う。 |
11 | 教員の勤務条件の課題:公務員の勤務条件の概要について解説するとともに、教員の勤務条件のあり方について議論する。 |
12 | 職務実態とメンタルヘルス:多忙化や職務の複雑化により精神疾患やバーンアウト(燃え尽き症候群)となる教員が増加する状況を事例を通して分析し、そのメンタルヘルスを図るための職務遂行の合理化や人間関係の円滑化を検討する。 |
13 | 教員研修と職能開発:教員の効果的な職能成長がOJT(on the job training)によること、そして明確な課題設定と組織体制をもって計画的に校内研修が実施されることが必要なことを具体的な校内研修の事例分析を通して検討する。 |
14 | 教員の資質能力:教員の育成指標の策定が進められている中で、教員に必要な資質能力について文献講読を通じて議論する。 |
15 | まとめ:授業の振り返りを行い、教職専門職基準を参照しながら、これからの学校教育と教員の在り方について受講生が討議する。 |