科目名 |
授業力熟達の理論と実践 |
クラス |
− |
授業の概要 |
本授業では、小学校から高等学校までの教員の授業(指導)力の熟達に焦点化して考える。また,受講者自身の授業力を省察し,それを向上させるための方策を構想する活動を導入する。文献講読を通して、授業力の熟達に関する多様な文献を学習する。各自の興味関心の中から、学術書や学術雑誌等に掲載されている文献を選択し、レポーターの発表をもとに、ディスカッションを行う。 |
授業の到達目標 |
授業力とその熟達に関する知識や理論を獲得し,それを充実させるための方法論を習得する。具体的には,次のような目標を満たすことが期待される。 ・「授業力」,すなわち,授業の設計・展開・評価に関する教師たちの信念・知識・技術とその形成に関する諸研究の知見を整理できる。 ・教師のライフステージを通して授業力が熟達していく過程及び課題を理解するとともに,その特徴,課題克服へのアプローチについて考察できる。 ・受講生自身の授業力形成史を振り返るとともに,授業力形成計画書を作成して今後の教職生活を構想できる。 ・司会進行を受講生が行い、多様な意見を方向づけながら議論をまとめるスキルを身につける。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション、「授業力」とは何か |
2 | 自分の授業力形成史の報告 |
3 | 授業力の熟達化の理論に関する文献購読1 知識重視の立場 |
4 | 授業力の熟達化の理論に関する文献購読2 思考力重視の立場 |
5 | 授業力の熟達化の理論に関する文献購読3 知識と思考力のバランスを重視する立場 |
6 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(1)小学校教員(1)若手教員の場合 |
7 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(2)小学校教員(2)中堅教員の場合 |
8 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(3)中学校、高等学校国語科教員 |
9 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(4)中学校、高等学校数学科教員 |
10 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(5)中学校、高等学校社会科教員 |
11 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(6)中学校、高等学校理科教員 |
12 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(7)中学校、高等学校英語科教員 |
13 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(8)中学校、高等学校技術科・家庭科教員 |
14 | 授業力の熟達課題に関する文献講読(9)中学校、高等学校体育科・音楽科・美術科教員 |
15 | まとめの話し合い |
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テキスト・参考書 |
テキストとしては、受講者の希望に応じて次の文献等の一部を使用する予定である。 Sch?n, Donald A著、柳沢昌一、三輪建二訳『省察的実践とは何か : プロフェッショナルの行為と思考』鳳書房、2007年。 Loughran, J. John著、武田信子、小田郁予、齋藤眞宏、佐々木弘記訳『J.ロックランに学ぶ教師教育とセルフスタディ : 教師を教育する人のために』学文社、2019年。脇本健弘、町支大祐、中原淳『教師の学びを科学する : データから見える若手の育成と熟達のモデル』北大路書房、2015年。グループ・ディダクティカ『教師になること、教師であり続けること : 困難の中の希望』勁草書房、2012年。田中里佳『教師の実践的知識の発達 : 変容的学習として分析する』学文社、2019年。後藤郁子』小学校初任教師の成長・発達を支える新しい育成論』学術出版会,日本図書センター (発売)2014年。高井良健一『教師のライフストーリー : 高校教師の中年期の危機と再生』勁草書房、2015年。等 |
自学自習についての情報 |
・資料は事前に必ず熟読し、疑問点などを整理しておくこと。常に自分なりの問題意識を持って授業にのぞみ、積極的に意見交流してほしい。 |
授業の形式 |
演習 |
アクティブラーニングに関する情報 |
文献講読、レジュメ作成、レポーターの発表、ディスカッションを行う。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
・授業力形成史に関するレポートを作成し,報告する。(20%) ・授業力形成計画書に関するレポートを作成し,報告する。(30%) ・文献講読の取り組みとの内容に関する評価(20%) ・授業中のディスカッションへの取り組みに関する評価(30%) |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
・自分の考えを述べる場を多く設定する。よって、常に自分なりの問題意識を持って授業にのぞんでほしい。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
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