科目名 |
教育相談・特別支援演習 |
クラス |
− |
授業の概要 |
教育相談が機能するためには、まず個々の教師の力量として、対象となる児童生徒あるいは保護者について、多面的な理解をすること・見立てを行えることが求められる。その際に、特別な支援を必要とする発達障がいのある子ども達についての知見が、大きな位置を占める場合も多い。臨床心理学における力動的な視点と発達的な視点を併せ持ちながら、児童生徒を適切に理解しかかわることが、今日の教育現場には求められている。この授業では、臨床心理学や発達心理学をベースに、教育現場に活かせるような教育相談と特別支援のあり方を学んでいく。 |
授業の到達目標 |
・教育相談の基本となる臨床心理学的な知識を習得する。 ・特別支援の対象となる発達障がいについて理解する。 ・児童生徒・保護者とのかかわり方と教師間連携の意義を理解する。 ・特別支援を含む教育相談・支援体制を理解する。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション ・この授業の進め方 ・教育相談と特別支援について |
2 | ロールプレイ1 ・無口な児童(不登校傾向)との関わり |
3 | 教育相談のベースとなる考え方1 (文献講読とグループワーク) ・「父性と母性」 「カウンセリングの基本的枠組み」 「カウンセラーの態度」 「心理療法の種類と技法」 |
4 | ロールプレイ2 ・多動な児童との関わり |
5 | 教育相談のベースとなる考え方2 (文献講読とグループワーク) ・「意識と無意識」 「防衛機制」 「自己と対象」 「生育歴」 |
6 | ロールプレイ3 ・反抗的な生徒との関わり |
7 | 特別支援のベースとなる考え方1 (文献講読とグループワーク) ・発達障がいを理解する(基本と自閉症スペクトラム) |
8 | 特別支援とアセスメント ・発達検査について理解する |
9 | 特別支援のベースとなる考え方2 (文献講読とグループワーク) ・発達障がいを理解する(ADHDとLD) |
10 | 特別支援の実際 ・ビデオ教材をもとにしたグループワーク |
11 | 特別支援のベースとなる考え方3(自主グループ研究) 「ことばの教室」「通級教室」についての研究 |
12 | フィールドワーク・特別講義(通常と異なる日時のため注意すること) ・特別支援体制について学校現場から学ぶ |
13 | 学校現場についての検討 ・フィールドワーク・特別講義の振り返りと、教育相談・特別支援体制についての検討 |
14 | 特別支援のベースとなる考え方3 (文献講読とグループワーク) ・家庭での関わりと支援 ・学校での関わりと支援 |
15 | 教育相談と特別支援 ・「共感」と「同情」の違いについて検討する。 |
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テキスト・参考書 |
教科書:角田豊・片山紀子・小松貴弘編著(2016) 『子どもを育む学校臨床力―多様性の時代の生徒指導・教育相談・特別支援』 創元社 教科書:榊原洋一著(2011) 『図解よくわかる発達障害の子どもたち』 ナツメ社
参考書:かんもくネット著(2008) 『場面かんもくQ&A』 学苑社 参考書:小西行郎著(2011) 『発達障害の子どもを理解する』 集英社新書 |
自学自習についての情報 |
文献講読の回は、教科書の該当章を熟読して、自分の意見や疑問を整理して臨むこと。 ロールプレイの回は、授業後に児童生徒理解やかかわりのあり方について、要点を自ら振り返り記述することが大切である。 次の本は、心の理解や対人関係の理解に役立ち、読みやすいので自学自習に活用のこと。 氏原・杉原共編(1998)『臨床心理学入門 −理解と関わりを深める−』創元社 |
授業の形式 |
講義・演習・グループワーク |
アクティブラーニングに関する情報 |
ロールプレイでは院生が教師役や児童生徒役になって体験的に授業を進める。 毎回、グループディスカッションをまじえながら、自ら主体的に考えて学習を進める。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
文献発表やグループワーク・ロールプレイへの積極的な参加 60% 期末のレポート評価 40% |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
新型コロナ・ウィルスの影響により、対面授業の場合とオンライン授業の場合が想定される。前年度の経験を踏まえて、できるだけスムースに受講できるように対応を考えていく。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
角田豊:公認心理師・臨床心理士として、学校現場のスクール・カウンセラーや総合教育センター等の教育相談の経験を踏まえて、教師・子ども・保護者の体験に焦点を合わせながら授業を行う。 新谷幸三:中学校の管理職としての教育相談・特別支援教育体制の経験を活かしながら授業を行う。 |