科目名 |
初等図画工作科教育 |
クラス |
a |
授業の概要 |
学習指導要領が図画工作科で育成を目指す感性や創造力等のコンピテンシー(資質・能力)の重要性を理解し、それを実現する教育目標と内容構成の関連(学習領域など)といった全体構造を把握します。教材研究や教科書分析などから、造形遊びや芸術文化領域について理解を深め、指導のポイントが抽出できるようにします。また、指導法として子どもの主体的・対話的で深い学びを実現するため、子どもの思いや意欲を引き出す傾聴技法や学級の意欲を高める集団指導法、ピア・ラーニングやグループワークの方法などが駆使できるよう演習します。授業設計では指導案を2回書く経験をして、教育実習等で要求される指導細案の分析にとまどい無く対応できるようにします。総まとめとして、班学習で模擬授業を実施し教材の準備から評価までの全過程を経験することを通して基本的な題材指導力を身につけます。 |
授業の到達目標 |
(1)学習指導要領における図画工作科の目標と内容構成など全体構造と主たる内容を理解できる。 (2)班編制の教材研究と教科書教材の調査研究などから指導内容を深く知り指導上の留意点を理解する。 (3)学習評価はいかにあるべきか、題材を構成する目標−評価分析ができるようにし、実践的な評価のあり方を把握する。 (4)学習指導要領の資質・能力を育成するために、今日的な多様な領域アプローチがいかに教育的な効果があるか、題材を試作(アクティブラーニングして)して深めることができる。 (5)教科書分析や教材研究から、発展的な学習内容を指導するための学習指導への位置づけを考えることができる。 |
授業計画 |
回 |
内容 |
1 | 【1.現代の図画工作科に求められているもの】 ガイダンス(子どもの表現の魅力、図画工作科教育の意義、性格・目標(情操教育など) 表現と鑑賞の2領域構成) 【2.教材研究】 5つの教材のアクティブラーニング @ 屋外の広い空間での造形遊び<教材研究>、材料:キラキラひらひら、新聞紙・スズランテープ |
2 | A クレヨン・パス・コンテなどの造形遊び<教材研究> |
3 | B 水彩絵の具の造形遊び(色水遊び)<教材研究> |
4 | C 感じたことや想像したことを絵や立体,工作に表す学習<教材研究> |
5 | D 子どもが主体的鑑賞する心を育てる鑑賞題材 ―子どもの生活、我が国、諸外国の文化、地域の文化 <教材研究>、 情報機器の操作と映像教材の活用 |
6 | 【3.我が国の図画工作教育】 学習指導要領の「図画工作科」の構造 |
7 | 教科書分析(内容構成と題材) |
8 | 【4.創造性や感性を育成する指導法の工夫】 |
9 | 【5.図画工作科の指導案の書き方、評価の方法】 「造形遊び」の指導案の作成 |
10 | 【6.模擬授業】 模擬授業の準備1(題材の検討、指導方法の討議)、情報機器及び教材の活用方法 |
11 | 模擬授業の準備2(題材の選択・決定、指導方法の討議、発問・主たる指導言、模擬授業の指導案の作成) |
12 | 模擬授業の準備3(提示物作成、模擬授業の指導案の完成) |
13 | 模擬授業の実施 |
14 | 模擬授業の評価・省察 まとめ |
15 | 【7.まとめ】 |
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テキスト・参考書 |
テキスト1:文部科学省『小学校学習指導要領解説 図画工作編』(最新版) テキスト2:初回の授業で、模擬授業や教育実習に役立ち、教育現場の子どもや内容がよく解るテキストを紹介します。 |
自学自習についての情報 |
体験的教材研究の前に予習をして臨んでもらいます。 |
授業の形式 |
講義と演習と教材体験実習 |
アクティブラーニングに関する情報 |
アクティブラーニング(教科書分析等での授業(グループワーク、発表・討論、体験的教材研究(事前の予習の実施、教材体験)、模擬授業(グループワーク) |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
総合評価(学習過程の評価(30%)<情操教育(調べ学習)、教材研究(体験レポート)、教科書分析(グループ学習での演習レポート>、指導案の評価(10%)、模擬授業のまとめのレポート(60%) |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
アンケート結果から、受講者の「情操・図工教育の大切さへの理解」「教員になってこの教科を丁寧に大切に教えることへの意識」の高まりを感じる。そして、「教員になる意欲を高める取り組み」としても評価されている。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
小学校で35年の実務経験があり、学校内研究や造形教育研究会で「図画工作科」指導法の研鑽を積んできた。最近の小学校現場・子どもの様子や実際の指導例を盛り込みながら授業を進めたい。 |