科目情報
科目名 漢文学概説 
クラス − 
授業の概要 漢文で書かれたさまざまな文献に実際に触れながら、漢文を読むための基礎を身につけていく。同時に漢文学に関する基本的事項を講義する。毎回、必ず漢文の文献に触れ、辞書を用いながら実際に読めるようになる実践的演習も行う。 
授業の到達目標 1.漢文学に関する基本的知識を説明できる。
2.漢文資料を辞書を使ってある程度自力で理解することができる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション(漢文こそ日本の古典・書き下し文とは何か?) 
2漢字1―漢字の起源と解釈を知る(漢和辞典と部首について) 
3漢字2―「六書」を学び、漢字の構造や音を調べる(漢字の特性と漢字音・旧漢字の字形について) 
4漢文演習1―屈原の故事を読む(漁父辞) 
5『論語』―古典としての「リズム」について考える(論語) 
6諸子百家―故事成語が生まれた背景を理解する(故事成語・漢文における表現の簡潔性について) 
7『史記』1―史書としての特色を踏まえて「廉頗藺相如列伝」を読む(廉頗藺相如列伝) 
8『史記』2―『史記』に通底するテーマを考えながら「項羽本紀」を読む(鴻門之会) 
9漢詩1・絶句―押韻に着目して漢詩の音声の美しさを味わう(楓橋夜泊詩) 
10漢詩2・律詩―対句に着目して漢詩の表現の美しさを理解する(乾坤日夜浮) 
11漢文演習2―「雑説」を読む(慣用的な字や句法を身につける) 
12文章―文体に着目して「古文」の特色を理解する(返り点に関するいくつかの問題) 
13漢文演習3―日本人の漢文を読む 
14日本人と漢文(国文と漢文の交渉) 
15予備・まとめ 
 
テキスト・参考書 テキスト:原田種成『私の漢文講義』(大修館書店)、他に資料を印刷して配布する。
辞書:小川環樹ほか『角川新字源(改訂新版)』(角川書店)。毎回の授業に持参すること。
参考書:辰巳正明『懐風藻全注釈(新訂増補版)』(花鳥社)、静永健『唐詩推敲―唐詩研究のための四つの視点』(研文出版)、堀川貴司・浅見洋二編『蒼海に交わされる詩文』(汲古書院)など。 
自学自習についての情報 授業でとりあげるテキストの部分を「授業計画」の( )内に示している。授業に先立ち読んでおくこと。また漢文の理解には中国史の知識が必須であるが、自学自習用の読み物としては、鳥山喜一『黄河の水』(角川文庫)が面白くわかりやすい。 
授業の形式 講義形式を主とするが、実際に漢文も読み、受講者の発言も求める。 
アクティブラーニングに関する情報 授業の中で漢文を読む実践的な演習を行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 原則として授業ごとのレポート課題(50%)と学期末の試験(50%)によるが、状況によっては学期末のレポート課題により、試験に代えることもある。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 2回生以上対象。1回生は受講できない。また授業計画は一応の予定であり、受講者の状況に応じて変更する場合がある。なお漢文の理解には中国語の知識が必要である。中国語は1単位だけでもよいので、できる限り履修することが望ましい(この授業と並行しての履修でも差し支えない)。 
担当講師についての情報(実務経験)