科目情報
科目名 国語科教育演習B 
クラス − 
授業の概要 「『深い学び』のための授業構想論」
中等国語科の授業者として求められる「教材分析力」と、それを踏まえた「授業構想力」を高めることを目的とする。実際の教科書教材等を取り上げ、特に「読むこと」を中心として教材を分析し授業を構想する。演習(グループワーク)・解説講義のほか、学生担当による発表も取り入れ、中学・高等学校国語科の授業が構想できる力を実践的に育成する。
 
授業の到達目標 「読むこと」について、その背景となる「国文学」「国語学」との関係や基礎的な学習指導理論および指導上の留意点を理解し、中等国語科教材の読みの焦点を捉えることができる(教材分析力)。それに基づいた、効果的な発問や活動を伴う国語科授業の現状の課題を改善していくための具体的な授業場面を想定した授業を構想することができる(授業構想力)。 
授業計画 受講生の状況等により、取り扱う教材や取り上げる順序を変更する場合がある。
内容
1ガイダンス 
2文学教材(1)語り継ぐ文学
  ―小学校教材「ちいちゃんのかげおくり」(あまんきみこ)、「ごんぎつね」(新美南吉)― 
3文学教材(2)語り直す文学−中学校教材「握手」(井上ひさし)― 
4文学教材(3)語り直す文学−高等学校教材「舞姫」(森鴎外)― 
5古典教材(1)変奏する文学−「初冠」(伊勢物語)― 
6古典教材(2)変奏する文学−「芥川」(伊勢物語)― 
7説明的文章・評論教材(1)問題解決的読みと構造
  ―小学校教材「動いて、考えて、また動く」(高野進)、中学校教材「笑顔という魔法」(池谷裕二)― 
8説明的文章・評論教材(2)問題解決的読みと論理
  ―中学校教材「モアイは語る」(安田喜憲)と「イースター島にはなぜ森林がないのか」(鷲谷いづみ)― 
9説明的文章・評論教材(3)問題解決的読みと論理
  ―高等学校教材「グローバリゼーションの光と影」と「安くておいしい国の限界」(小熊英二)― 
10古典教材(3)「書くこと」への展開−「留侯論」(蘇軾)と「書くこと」− 
11古典教材(4)「書くこと」への展開−「古今和歌集」と「書くこと」− 
12受講生による教材開発の発表(1)「語り直す文学・変奏する文学」 
13受講生による教材開発の発表(2)「問題解決的読みと論理」 
14受講生による教材開発の発表(3)「古典教材と書くこと」 
15まとめ ― 最終レポート作成に向けて ―  
 
テキスト・参考書 テキスト:プリント配布
参 考 書:坂口由美子(編)『伊勢物語 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典』(角川ソフィア文庫)
     その他は授業中に紹介する。 
自学自習についての情報 伊勢物語・枕草子・徒然草などは、現代語訳からでよいから、通読することを勧める。 
授業の形式 「(1)課題の提示→(2)受講生による発表またはグループワーク→(3)授業者による説明」を繰り返す。ただし、受講生の人数によっては変更することがある。 
アクティブラーニングに関する情報 上述の「授業の形式」の(2)をもってアクティブラーニングの機会とする。
 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への出席と取り組み(30%)、課題・発表内容(30%)、レポート(40%)を目安として総合的に評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 特記事項なし 
担当講師についての情報(実務経験) 中高一貫校での実務経験を活かし実践的な内容を展開する。