科目情報
科目名 解析学演習 
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授業の概要  本講義では測度論とその周辺について、抽象的な測度論を学んだ後、R^2を中心にLebesque測度の構成を試みる。講義全体を通じて、上限や下限など解析学序論Iで学習した内容の演習を行う。 
授業の到達目標 ・可測の概念について説明できる。
・測度の基本的性質について証明できる。
・Lebesgue測度の構成手順を説明できる。
・測度論的視点から面積とは何かが説明できる。 
授業計画
内容
1可測の概念 
2測度の基本的性質 
3測度の例 
4Lebesgue外測度 
5Lebesgue内測度 
6Lebesgue測度 
7条件付きの完全加法性 
8可測性の同値条件 
9外測度が無限大の図形のLebesgue可測性 
10完全加法性 
11Lebesgue測度の平行移動と回転不変性 
12CaratheodoryによるLebesgue可測性の特徴付け 
13d次元Lebesgue測度 
14Lebesgue積分 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 テキスト
・ルベーグ積分講義「ルベーグ積分と面積0の不思議な図形たち」、新井 仁之 著、日本評論社、ISBN-13:978-4-535-78374-4

参考書
・はじめてのルベーグ積分、寺澤 順 著、日本評論社、ISBN-13:978-4-535-78544-1
・ルベーグ積分論、柴田 良弘 著、内田老鶴圃、ISBN-13:978-4-7536-0070-0
・ルベーグ積分入門(新装版) (数学選書)、伊藤 清三 著、裳華房、ISBN-13:978-4-7853-1318-0
・ルベグ積分入門 (ちくま学芸文庫) 、吉田 洋一 著、筑摩書房、ISBN-13:978-4-480-09685-2
・測度と積分、鶴見 茂 著、理工学社、ISBN:4-8445-0115-1(絶版)  
自学自習についての情報  講義中に出された演習問題については自学自習で必ず解答しておくこと。詳細は講義開始後web上に用意する予定。 
授業の形式  講義と演習、学習記録表の記入。 
アクティブラーニングに関する情報  講義内では演習の時間を多く取り、また自習シートによる主体的な活動を促す。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点)  試験100点(講義と演習、自習シートで取り扱った内容から60点以上出題)。ただし、学習記録表や自習シートの提出などにより加点を行うことがある。 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  本講義の内容は非常に抽象的であり受講者の積極的な授業への参加が必要である。取り扱う内容は本質的に小・中学校、高等学校で学習する面積や確率の概念と直結し、教員志望の学生にとって重要である。解析学序論Iの内容を既習事項として用いるので、解析学序論Iを受講していない学生は履修に際して注意すること。また、事前に距離空間や位相空間論を学んでおくと良い。
 この講義は2回生以上が対象である。  
担当講師についての情報(実務経験)  イタリアパヴィア大学での研究員を経て、2003年に博士(理学)を取得。中学校、高等専門学校での勤務を経て、2009年に京都教育大学に准教授として赴任。2016年より現職。詳しくは「http://math.kyokyo-u.ac.jp/~fukao/fproj.html」を参照。