科目情報
科目名 民族音楽学演習I 
クラス − 
授業の概要 世界のさまざまなアンサンブル音楽を、動画分析と模倣演奏および発表と振り返りを通じて実践的に学ぶ。受講者が数人のグループに分かれて対象となる音楽芸能を選択し、映像資料を分析・模倣し、練習し、公開演奏するといった、受講生の自主的活動を中心とする。韓国の打楽器合奏「サムルノリ」については講師が基礎実技を指導する。必要に応じて簡単な楽器などを制作したり、代用楽器を使用したりする。中間および期末の2回、公開でその成果を発表し、その録画と外部参加者らの評価にもとづき反省会を行い、相互評価および討論によって理解を深める。 
授業の到達目標 世界のさまざまなアンサンブル音楽を実践的経験を通じて、グローバルな時代にふさわしい音楽科教員としての柔軟な対応力と幅広い感性を養う。必修曲として韓国の打楽器アンサンブル「サムルノリ」の楽曲《ヨンナムノンアク》と、自由選択曲2曲の計3曲の演奏経験をつむことによって、「世界の諸民族の音楽」についての理解を深め、教育現場での幅広いニーズに具体的にこたえられる資質と自ら新しい授業を提案できるような発想力を身につける。 
授業計画
内容
1ガイダンス: 講師が、本授業の目的と概要を説明し、過去の受講生の演奏や選択曲のための資料を紹介する。 
2受講者自身が映像資料を検討し、話し合いによって前半期の対象曲@を選択し、それに基づいたグループ分けを行い、練習計画を立てる。サムルノリ合奏の中心となる楽器チャンゴの基礎練習を行う。
(参考)既修者の選択曲例:バリ島のケチャ、オセアニアのボディ・パーカッション、東南アジア各地のバンブーダンス、京都の四つ太鼓、沖縄のエイサー、アイヌのウポポ、アフリカのジェンベ合奏、フラメンコなど 
3実技演習(1)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈キルクナ〉をチャンゴのみで練習、後半:選択曲@冒頭部の映像分析に基づいた練習 
4実技演習(2)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈パンキルクナ〉をチャンゴのみで練習、後半:選択曲@中間部前半の映像分析に基づいた練習 
5実技演習(3)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈メンヌン・カラッ〉をチャンゴのみで練習、後半:選択曲@中間部後半の映像分析に基づいた練習 
6実技演習(4)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫前半部の合奏練習、後半:選択曲@終結部の映像分析に基づいた練習 
7実技演習(5)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫前半部の合奏による通し練習、後半:選択曲@全曲の通し練習 
8中間発表と反省会。楽曲≪ヨンナムノンアク≫前半部合奏と選択曲@全曲の演奏を公開で発表し、相互評価および外部参加者の意見も入れつつ、記録映像を見て反省会を行う。 
9受講者自身が資料を検討し話し合いによって後半の対象曲を選択し、それに基づいたグループ分けを行い、練習計画を立てる。楽曲≪ヨンナムノンアク≫の後半部の練習に入る。 
10実技演習(6)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈ピョルタルコリ〉前半の練習、後半:選択曲A冒頭部の映像分析に基づいた練習 
11実技演習(7)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈ピョルタルコリ〉後半の練習、後半:選択曲A中間部前半の映像分析に基づいた練習 
12実技演習(8)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫の〈サンジンプリ〉の練習、後半:選択曲A中間部後半の映像分析に基づいた練習 
13実技演習(9)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫全曲合奏の通し練習、後半:選択曲A終結部の映像分析に基づいた練習 
14実技演習(10)前半:楽曲≪ヨンナムノンアク≫全曲合奏のリハーサル、後半:選択曲A全曲の通し練習とリハーサル 
15期末発表と反省会。楽曲≪ヨンナムノンアク≫全曲合奏と選択曲A全曲の演奏を公開で発表し、相互評価および外部参加者の意見も入れつつ、記録映像を見て反省会を行う。 
 
テキスト・参考書 テキストは使用しない。『新 音と映像による世界民族音楽大系』ほかの市販の視聴覚資料やネット上の動画などを参考にする。講師は必要に応じて関連資料や情報を紹介する。 
自学自習についての情報 グローバル化が進んだ今日の教育現場では、音楽科教師には何らかの世界の諸民族の音楽を教えることが求められている。それに柔軟に対応するためには、情報や知識を得るだけでなく、課題選択から音楽分析、模倣や練習の仕方、公開に向けた完成まで、受講生自身が授業の内外で主体的・積極的に行う実体験が必須であり、そこから自らが身体化したことは必ず将来役立つ。 
授業の形式 演習形式。映像資料の分析、練習、演奏の相互評価などからなるグループ活動が中心。講師はサムルノリの実技指導や必要に応じた助言および情報提供などを行う。 
アクティブラーニングに関する情報 授業時間の半分は、取り組む音楽芸能の選択・分析・練習・発表まですべてグループの自主的活動によって進める。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 平常点(50%)および中間・期末の実技試験結果(20%+30%)を勘案して評価する。実技試験は、サムルノリを含む2種類の音楽について演奏会形式の試験を行い、外部参加者・受講生による相互評価・講師の評価を総合して採点する。遅刻2回で欠席1回とし、2/3以上の出席を満たさない場合、公開試験を無断欠席した場合は放棄と見なす。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 民族音楽学演習Uと合同で実施する。第1回から必ず出席すること。グループ活動主体で他のメンバーに迷惑がかかるため、一度履修を開始した者は極力、遅刻・無断欠席・途中放棄を避けること。 
担当講師についての情報(実務経験)