科目名 |
心身医学特論 |
クラス |
− |
授業の概要 |
1. 心身医学の歴史を学ぶ。心身医学三大学派の1つパリ学派L'?cole Psychosomatique de Parisを中心にして 2. 精神分析的心身医学概論を学ぶ。退行と固着、器官選択、防衛機制、ストレスやそれに伴う心身相関の機序を理解する。 3. 代表的な心身相関理論について理解を深める。 4. 代表的な心身症事例について理解を深める。 5. 教育相談やクラス運営、児童生徒対応に必要となる、こころとからだへの支援に生きる心身医学理論を学ぶ。 |
授業の到達目標 |
1. 心身医学の誕生から現代までの動きを知る。特に The ?cole Psychosomatique de Paris と英語圏でも言われるパリ学派について理解を深める。 2. 子ども理解や子ども支援姿勢の基本となる、精神分析学が理解できるようになる。 3. 子どもや保護者、教員の問題解決に寄与する、心身相関が理解できるようになる。 4. 子どもや保護者、教員の心身症に精通し、学校内で高い教育指導力が発揮できるようになる。 5. 学校心理臨床に必要な心身医学的知識を身につけ学校現場での実践力を高度化し、医療と協同できるようになる。学校での児童生徒や教職員への対応に必要な水準の心身医学知識を習得する。 |
授業計画 |
初回授業で、課題を割り振るので必ず初回は参加すること。 初回授業参加できない場合には、担当分野の割り振りを受ける必要があるため、その初回授業より事前に担当教員にコンタクトを取り相談することが必要である。
回 |
内容 |
1 | オリエンテーション、内分泌系の代表的心身症:摂食障害事例から学ぶ |
2 | 心身医学の歴史と概念、ストレスとライフイヴェント、リラクセーション演習 |
3 | 基礎から精神分析学的心身相関を学び児童生徒や保護者の理解に生かす。 |
4 | Pierre Marty 研究?:パンセオペラトワール、ルラションブランシュ、デプレッション・エサンシエル |
5 | Pierre Marty 研究A:心身症分類とMentalisation マンタリザション、Peter FonagyのMentalization メンタライゼーションと比較して |
6 | Pierre Marty 研究B:L'investigation psychosomatique 心身相関研究の事例を学ぶ |
7 | Michel de M'Uzan 研究 |
8 | Christian David 研究 |
9 | Michel Fain 研究 |
10 | L?on Kreisler 研究 |
11 | Claude Smadja 研究 |
12 | G?rard Szwec 研究 |
13 | パリ学派L'?cole Psychosomatique de Parisの speechless mind とロンドン・アンナフロイト・センター・愛着アプローチ派のspeaking body:現代心身医学の二潮流 |
14 | Mentalization-based Treatment for Adolescent メンタライゼーション準拠思春期療法やDialectical Behavior therapy 弁証法的行動療法は、児童生徒の健康指導や心身症治療に生かせるか |
15 | 心身相関の視点から児童生徒や保護者対応に指導力を向上させるためのまとめ |
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テキスト・参考書 |
参考書「身体的苦痛症群 解離症群 心身症 食行動症または摂食症群」久住一郎著 中山書店 ISBN978-4521748245 「初学者のための小児心身医学テキスト」 日本小児心身医学会編 南江堂、ISBN978-4524252749 「Lost to Desire (The New Library of Psychoanalysis) 」Wolfgang Lassmann著,Routledge, ISBN978-1032132600 「Psychosomatics Today: A Psychoanalytic Perspective, second ed.」Elsa Rappoport De Aisemberg著, Routledge, ISBN978-1032106618 「The Psychosomatic Therapy Casebook: Stories from the Intersection of Mind and Body」J.B. Stora著,Routledge ISBN978-0367370732 |
自学自習についての情報 |
身体や心の健康の基礎知識として、学部授業の健康科学論が基礎となるが、未受講者は、当該シラバスやテキストを参考に自習が望ましい。理解を助けるため事例を参考に理解を進めるとよい。 |
授業の形式 |
初回授業時に各論の代表的心身症について、それぞれの受講学生に割り振り、それぞれの授業回で担当教員の講義終了後に、学生が事例をプレゼンテーションする形式である。できる限り事例を中心としたグループ演習を展開する。 |
アクティブラーニングに関する情報 |
担当分野について授業でプレゼンテーションする。 他の学生や教員からの口頭試問に答えられるように事前に準備しておく。 その分野の事例(邦文主体だが適切な事例ない場合は英文を含む)について、討論する。 |
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) |
授業でのレポート発表80%、口頭試問を含むデイべート20%。 発表担当日の授業欠席では、単位は認定できない。但し学生の間で、発表順番を授業前に変更して代理担当の別分野授業が展開する場合は何ら問題とならない。ペーパーによる期末定期試験は行わない。 |
その他(授業アンケートへのコメント含む) |
メンタルヘルス全体を把握するためには、後期開講の精神疾患を対象とする精神医学特論が補完する関係にある。 |
担当講師についての情報(実務経験) |
パリ精神分析協会・パリ心身医学研究所・パリ大学都市国際病院思春期青年期精神科(摂食障害)にフランス政府給費留学生として学んだ心療内科医で、臨床心理士、公認心理師でもある。 本年度は2022年に実施されたばかりのパリ心身医学研究所IPSOセミナー「エコール・ド・パリの創設者」の新知見を含む。 他にロンドン・アンナフロイト・センターの思春期メンタライゼーション準拠療法登録治療者にもなっている。 学校臨床においても、総合教育センターや教育委員会での顧問活動経験が長い。 |