科目情報
科目名 物理学特論III 
クラス − 
授業の概要 初等,中等理科教育における科学的思考力の育成において,児童・生徒の認知発達の階を基盤として,単元間の一貫したつながりを意識した授業構成や実験,教材のあり方等について,国内外の例を参照しつつ講述し,それに基づく指導案の作成,模擬授業の実践およびその議論を通して実践的理解を深める。 
授業の到達目標 ・初等・中等理科教育における単元間のつながりを理解し,児童・生徒の認知発達の段階と関連づけた授業構成,教材研究および設定を行うことができる。
・上記に基づいた指導案を作成し,授業実践を行い,実践後に自己・相互評価を行い,改善することができる。 
授業計画
内容
1 認知発達の理論からみた初等・中等理科教育の現状 
2 認知発達を支援する理科授業の構成論
  「認知促進(Cognitive Acceleration: CA)」の概念について 
3 「科学教育による認知促進(CASE)」授業の体験@ 【変数】【分類】 
4 「科学教育による認知促進(CASE)」授業の体験A 【比例】【反比例性】 
5 「科学教育による認知促進(CASE)」授業の体験B 【蓋然性】【相関性】 
6 「科学教育による認知促進(CASE)」授業の体験C 【形式的モデルの使用】【平衡】 
7 CA概念に基づく理科授業の検討@ −初等理科教育− 
8 CA概念に基づく理科授業の検討A −中等理科教育− 
9 CA概念に基づく理科授業の検討B −指導案の作成−   
10 附属学校における授業実践@ −小学校− 
11 授業実践@のふり返り 
12 附属学校における授業実践A −中学校(高校)− 
13 授業実践Aのふり返り 
14 CA概念に基づく理科授業の検討C −指導案(改善案)の作成− 
15 全体討論およびまとめ 
 
テキスト・参考書 [テキスト] 必要に応じてプリントを配布する。
[参考書] ピアジェ,ヴィゴツキーに関連する書籍 (講義において紹介する) 
自学自習についての情報 配布する資料や参考書籍をよく読み,毎回,扱った内容について自分なりの考えをまとめておくこと。特に,日本の理科教育の現状との比較を意識しておくとよい。 ? 
授業の形式 講義と受講者による発表,討論を組み合わせて行う。 
アクティブラーニングに関する情報 個人の考えを基盤とした,グループ・ディスカッションからクラスルーム・ディスカッションを経て,最後に自分の考えや活動をふり返る(メタ認知する)活動が中心。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業実践レポート(60%)と指導案(20%)授業中の討論状況(20%)で評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ・ 受講者のニーズに合わせて,中心的に取り上げる校種や単元を設定する場合がある。
・ 上記,授業計画10回,12回における「授業実践」は「模擬授業」になる場合がある。
・ 専門分野(物理・化学・生物・地学)を問わず受講可能。取り扱う内容は全分野にわたるため,むしろ得意分野が異なる受講者がいた方がより充実した内容となるため,そのような受講を推奨する。 ? 
担当講師についての情報(実務経験) 2013年度より京都府教育委員会より委嘱を受けて,府内の小中学校における理科授業の改善事業に関わっており,その経験をふまえて講義を行う。