科目情報
科目名 音楽科教育実践演習 -授業実践史- 
クラス − 
授業の概要 あらゆる教育実践の基礎には過去の実践の積み上げがあり、音楽教育実践もまたその例外ではない。本講義では、日本の近現代音楽教育史における音楽実践者たちの思想と実践に焦点を当て、彼らの実践が現在の音楽教育実践とどのように関わっているのかを考える。そのことを通して、受講生がこれからの音楽教育実践を切り開いていくための理論的基礎を身に付けることをめざす。 
授業の到達目標 日本の近現代音楽教育史における音楽実践者たちの思想と実践について理解し、それらが現在とこれからの音楽科教育実践とどのように関連するかを考察できる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション:音楽教育史概観 
2近代音楽教育史の幕開け:音楽取調掛による音楽教師の養成の開始 
3明治後期における研究者的資質をもった教師の出現:言文一致唱歌運動(田村虎蔵) 
4大正期における音楽教師たちの組織化:音楽教育研究団体の出現 
5大正期〜昭和戦前期における音楽教育の改革1:鑑賞指導の試み(青柳善吾) 
6大正期〜昭和戦前期における音楽教育の改革2:作曲指導の試み(幾尾純) 
7大正期〜昭和戦前期における音楽教育の改革3:器楽教育の萌芽と展開(上田友亀・山本栄・瀬戸尊) 
8昭和戦中期における芸能科音楽:音感教育の発展と変質過程 
9戦後改革期における音楽教育の改革と実践研究@:「学習指導要領(試案)音楽編」と実践(諸井三郎と校條武雄) 
10戦後改革期における音楽教育の改革と実践研究A:文部省実験学校における研究 
11昭和後期の教師たちによる音楽教育の模索@:わらべうたから始まる音楽教育(音楽教育の会) 
12昭和後期の教師たちによる音楽教育の模索A:作曲の段階的指導の試み(山本弘) 
13教材の広がりと音楽教育実践の可能性@:現代音楽の語法と創造的音楽学習 
14教材の広がりと音楽教育実践の可能性A:日本伝統音楽の教材化 
15まとめ:音楽科教育の現状と課題 
 
テキスト・参考書 河口道朗監修『音楽教育史論叢』第T巻〜第V巻、開成出版、2005年。
音楽教育史学会編『戦後音楽教育60年』、開成出版、2006年。
そのほか多数のため授業で提示する。  
自学自習についての情報 本授業は基本的に各テーマについて受講生が発表する形式で進める。テーマ発表の担当者は、該当テーマに関わる複数の文献を収集・考察するなど発表内容を充実させ、責任をもって発表資料を作成すること。  
授業の形式 発表、演習(全体ディスカッション、講義を含む)  
アクティブラーニングに関する情報 受講者全員によるディスカッションを交えながら各テーマの理解を深める。  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) テーマ発表(50%)・レポート(50%)。  
その他(授業アンケートへのコメント含む)  
担当講師についての情報(実務経験) 担当講師は学校現場における9年間の実務経験を有する。この経験を生かしながら、教育実践構築のための基礎的な知識として歴史と思想についてディスカッションを行う。