科目情報
科目名 英語科教育実践演習 -構文文法論- 
クラス − 
授業の概要 認知言語学の構文理論として金字塔的な研究成果である、Adele Goldberg の構文文法(Construction Grammar)を取り上げ、その具体的な内容を理解するとともに構文理論としての可能性を考究する。また、構文文法を英語教育へ活用するという視点から、Martin Hilpert による応用言語学分野の研究成果を取り上げて、英語教育実践との接点を探求するべく十分な検討を加える。ことばについて深く学ぶことの楽しさ、ことばについて思索することの面白さを教授したい。 
授業の到達目標 1.Goldberg の構文文法(Construction Grammar)の骨子と構文文法の言語観が理解できるようになる。
2.Hilpertの研究成果を踏まえて、構文理論の英語教育への活用について一定の展望を図ることが出来る。
3.構文研究の事例研究として、項構造構文に対する一定程度の分析が出来るようになる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション 
2認知言語学の言語観 
3構文文法の誕生 
4項構造構文 
5二重目的語構文 
6移送使役移動構文 
7与格交替の諸相 
8与格交替の諸制約 
9中間振り返り 
10構文文法と二重目的語構文 
11構文文法と構文の多義性 
12課題研究(1):構文文法と構文の習得 
13課題研究(2):構文文法と英語教育 
14課題研究(3):構文文法の可能性と今後の展望 
15本授業のまとめ 
 
テキスト・参考書 テキスト:
講義資料を配布する。

参考文献の一部を以下に挙げる。

(1)理論言語学と英語教育の接点について
藤田耕司他(編)(2012)『最新言語理論を英語教育に活用する』開拓社.

(2)構文文法理論とその応用について
Goldberg, Adele. (2019)Explain Me This: Creativity, Competition, and the Partial Productivity of Constructions. Princeton University Press. 
自学自習についての情報 専門性の高い英文を正確に読み込むため、十分な予習をして授業に臨むことが必須である。英語学の基礎知識についても必要に応じて事前に学習して授業に出席すること。認知言語学の基礎事項については、児玉・谷口・深田(編著)(2020)『はじめて学ぶ認知言語学』(ミネルヴァ書房)を活用して、本授業の準備学習の一助とされたい。 
授業の形式 講義と演習 
アクティブラーニングに関する情報 ペアワーク、グループワーク、全体討論を実施する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) レポート試験の成績(70%)と授業へ積極的な参加態度(口頭発表・課題提出を含む)(30%)を総合して評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 課題研究では研究発表を実施する。協働的学習に積極的に参加してもらいたい。授業以外での課題学習については受講者の関心に応じて十分な配慮をしたい。 
担当講師についての情報(実務経験) 高等学校での指導経験を活かし、本授業が言語学の専門領域にのみ留まることなく英語教育にも資するような授業運営を心掛ける。