科目情報
科目名 性倫理と性教育 
クラス − 
授業の概要 性を肯定的に捉え、よりよい関係性を築き、個々のウェルビーイングを実現することは、人間の自立にとって欠かせない要素である。
しかし、日本においては、そのための教育は世界から遅れて、今やスタンダードといえるユネスコ国際セクシュアリティ教育ガイダンスの普及も遅々として進んでいない。その影響で、ジェンダー規範、商業主義などにとらわれ、妊娠中絶、性感染症や性暴力ハラスメント、性への無関心の増加など、性的権利の保障とはほど遠い状況が広まっている。この授業では、自他の心とからだを肯定的に受け止め、安心・安全と信頼の関係性を築き、いかに社会や行動を変容していくかを包括的性教育の教授法を含め共修していく。 
授業の到達目標 性を人権・ウェルビーイングを司る大切な要素として、ジェンダー平等と性の多様性を基本的権利として捉えることができる。
自他の健康や幸福を重視した行動ができて、教育と社会変革の展望を持てる。
将来、教員や大人として、子どもたちに包括的性教育を積極的に教えることができる。 
授業計画
内容
1オリエンテーション、性を学ぶ意味、性の健康や心理の悩みの交流 
2性はなぜあるのか、性の多様性を考える 
3月経と射精の相互基礎理解 
4恋愛・相手の想いと性的関係を考える 
5現代の若者の性的心理と健康を人工妊娠中絶から考える 
6安心と安全のための避妊を考える 
7心理的健康とからだの健康の性的関係を性感染症から考える 
8よりよい関係と信頼のため性と暴力を考える(1)性的同意とレイプ 
9よりよい関係と信頼のため性と暴力を考える(2)デートDVの理解 
10よりよい関係と信頼のため性と暴力を考える(3)セクシュアルハラスメントの予防と対応 
11性の商品化を考える 
12多様な性、少数者の人権を考える 
13過去から未来へ、障がい児・者の性教育 
14過去から未来へ、戦争と性の関係を探る 
15まとめとレポート 
 
テキスト・参考書 【テキスト】
『改訂 性の“幸せ”ガイド』関口久志著(エイデル研究所)授業には必携。
【参考図書】
季刊『セクシュアリティ』誌(エイデル研究所)
『ハタチまでに知っておきたい性のこと』第2版(大月書店)
『「性教育の壁」突破法』関口久志(十月舎) 『「性教育の輪」連携法』(十月舎) 『日本の男はどこから来てどこへいくのか』(十月舎) 
自学自習についての情報 季刊『セクシュアリティ』(エイデル研究所)は唯一の性と教育の総合誌であり、学習に役立つ。
“人間と性”教育研究協議会https://www.seikyokyo.org/は、イベントや論文情報があり役立つ。
ヤフー性教育サイト「ココカラ学園」https://kids.yahoo.co.jp/sei/は、子どもの性教育サイトとして役立つ。 
国際セクシュアリティ教育ガイダンスhttps://sexology.life/world/itgse/は、ユニセフ等の性教育指針で役立つ。 
授業の形式 講義(学生参加意見交流型) 
アクティブラーニングに関する情報 学生同士のグループディスカッションを多用する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 平常点(出席、中間レポート、毎回のミニレポートなど)60%、最終レポート40%。不正があった場合は、厳しく対処する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 交流を重視した授業形式なので、発言や感想、活動の活発性を求める。 
担当講師についての情報(実務経験) 担当は元高校教諭で豊富な包括的性教育実践を行ってきた。この授業でもその経験をいかして、教員になったときに実態に即した指導ができる力を養っている。