科目情報
科目名 心理生理学 
クラス − 
授業の概要 1.児童青年期のこころを、心理学と脳神経生理学(脳科学、脳神経系の構造及び機能、高次脳機能障害等)から理解する。
2.こころの変化によりからだに起こる記憶、感情等の生理学的反応の機序を学ぶ。心身相関を理解する。
3.身体の生理的変化を感情面や行動面に有利にいかすことを学ぶ。 
授業の到達目標 1.こころの失調と脳神経系の異常や認知行動面の異常についての関係性が理解できるようになる。
2.こころとからだの関係(心身相関)の視点から、児童生徒や周囲に対して人間理解を深めることができるようになる。
3.身体情報を活用して心理状態を制御できる学術的可能性について理解できるようになる。 
授業計画
内容
1こころを理解するオリエンテーション、こころの生物学的基礎、脳神経系の構造及び機能:
嘘を見抜くにはどうしたらよいか 
2心理と社会性認知の発達、心の理論、ミラーニューロン、アタッチメント、メンタライゼーション:
空気を読むために必要なことは何か 
3感覚過程と知覚:音楽プロモーションビデオをヒットさせる心理学的戦略 
4記憶の生理学的反応の機序:成績を向上させ、就職試験に合格しよう 
5学習と条件づけ:能率の良い学生生活を送ろう 
6感情のの生理学的反応の機序:相手に自分を愛させる 
7行動の動機づけ:ダイエットに成功するには 
8言語と思考、大脳半球の非対称性:マインドコントロールされないようにする 
9意識と睡眠:居眠りはサボりではない場合もある 
10知能:肯定的側面と否定的側面があることを知る 
11パーソナリティ:気を付けるべき相手を見抜く 
12こころの病気と高次脳機能障害の概要:児童生徒臨床における心理社会的課題及び必要な支援を知る 
13臨床心理学と脳科学:犯罪の背景をさぐる 
14ストレスと心身の疾病との関係:心理的に健康で過ごそう。災害時等に必要な心理に関する支援を理解する。 
15心理生理学のまとめ:こころとは何かについて自分なりに答をつかむ 
 
テキスト・参考書 テキスト:「神経・生理心理学」早川友恵ら著、講談社 ISBN978-4065262153
参考書:「カールソン神経科学テキスト ー脳と行動ー 原書13版」中村克樹ら著、丸善出版 ISBN978-4621307656
「Biological Psychology,14th ed.」 James W. Kalat, Cengage Learning,ISBN978-0357798126
「神経・生理心理学―脳から心を理解する」中島恵子ら著、ナカニシヤ出版 ISBN978-4623087112
「生理心理学と精神生理学 第I巻 基礎」堀忠雄ら監修、北大路書房 ISBN978-4762829727
「Handbook of Psychophysiology, 4th ed.」John T. Cacioppo編 Cambridge University Press, ISBN978-1108723404 
自学自習についての情報 広義「生理心理学」の中に、動物実験を主に対象とする狭義「生理心理学」と人間を対象とする「心理生理学(精神生理学ともいう)」がある。この講義では、特に児童生徒や学生などを主な対象とする。
中学校理科第二分野生物や高校生物Tで学んだ程度の人体や脳神経に関する理解が基礎となる。
教採教職教養教育心理分野、公務員試験心理学、心理学検定神経・生理領域などと関連して学習を進めよう。
授業で行うレスポンス課題をテキストや参考書、図書館やインターネットで調べて理解を進める必要がある。
フランスの心理生理学テキストや英米の心理学テキストなどの最新の知見を授業で補充提示していきます。
心理学的に意味のあるPV、CMなどの視聴覚素材があれば、授業に採用するので提案を待っています。 
授業の形式 小グループ演習、PVなどの視聴覚素材も適宜用いて、できるかぎり参加できる授業を展開します。
授業は教科書該当箇所を現代の英米仏の最新知見で深める形式で展開するので、できるだけ初回より教科書持参が望ましい。 
アクティブラーニングに関する情報 視聴覚素材や事例について、自分なりに深く考えてみよう。
レスポンス課題(振り返り課題:教員採用試験教養択一問題形式準拠)を次の授業までに授業時間外学習しなければならない。
受講生からの事例提案や問題提起など、可能な限り生かしたい。双方向での展開を期待する。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業で提出するレスポンス課題15%と期末試験85%で成績を評価する。
感染対策のため期末定期試験が実施できない場合には、レポート85%を代替とする。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) こころを理解し解明する脳生理学的視点を身につけることは、人と関わる上で意義があります。
一見難しいと思える脳科学を、児童生徒指導やクラス運営、保護者対応、教員採用試験に役立つ分野を扱って、
教員養成課程学生のための授業になるようにします。
他の授業科目との関連では、前期開講の精神分析的な発達論でこころとからだの健康を考える健康科学論が補完します。 
担当講師についての情報(実務経験) 心療内科(心身医学)医師・臨床心理士・公認心理師
総合教育センターや教育委員会での児童生徒支援や教職員支援の経験が豊富にある。
フランス政府給費留学生としてパリ大学都市国際病院思春期青年期精神科(摂食障害病棟・外来)勤務歴、
パリ精神分析協会パリ心身医学研究所研修歴あり。
ロンドン・アンナフロイト・センターにて思春期メンタライゼーション準拠療法治療者登録