科目情報
科目名 情緒障害児特講 
クラス − 
授業の概要 本講義では、情緒障害の基本的な概念について講述する。具体的には、特別支援教育において定義されている注意欠陥多動性障害・学習障害・自閉性障害、選択性かん黙や心的外傷後ストレス障害(PTSD)・心身症・神経症・不登校・いじめやその他、今日注目を集めている課題や障害について取り上げ、その基本的な臨床的概念について解説し、その発症の原因や誘因・状態像とその経過・基本的な援助のあり方などについて心理・発達臨床の観点から考えていきたい。  
授業の到達目標 1.幼児期・児童期・青年期における情緒障害について基本的概念を知る。
2.不登校・心身症・神経症・いじめ等の各臨床像の理解と援助のあり方を理解する。
3.選択性かん黙・注意欠如多動症(ADHD)・限局性学習症(LD)・自閉スペクトラム症(ASD)等の各臨床像と援助のあり方を理解する。
4.心的外傷後ストレス障害(PTSD)や被虐待児の臨床像と援助のあり方を理解する。 
授業計画
内容
1オリエンテーション
〜子どもの心や症状について考えるための基本的な理解〜 
2感情と情緒の探究
〜感情・情緒と情緒障害に関する基本的理解〜 
3「こころ」と「からだ」の探求
〜『四月は君の嘘』から紐解く情緒の動き〜 
4「心身症」の探求
〜からだの言葉を聞く支援について〜 
5「選択制緘黙」と「強迫性障害」の探求
〜ゆらゆら君とまっすぐ君の世界〜 
6「不登校」と「いじめ」の探求
〜被害者-加害者の双方の心の理解と,2分論を越えて〜 
7子どものセラピーを体験しよう
〜関係性を築き,こころを形にする支援〜 
8「発達障害」の探求@
〜外側から見る「自閉スペクトラム症」〜 
9「発達障害」の探求A
〜内側から見る「自閉スペクトラム症」〜 
10「発達障害」の探求B
〜体験から学ぶ「注意欠如多動症」と「限局性学習症」〜 
11「発達障害」の探求C
〜体験から学ぶ「発達性協調運動症」〜 
12「児童虐待」の探求@
〜虐待の影響と早期発見について〜 
13「児童虐待」の探求A
〜虐待する側の心理について〜 
14親子のセラピーを体験しよう
〜関係性における傷つきを抱える子どもを支える支援〜
 
15「心的外傷後ストレス障害」の探求
〜トラウマの世界とその連鎖を断ち切る支援〜 
 
テキスト・参考書 参考書:藤本浩一・金綱知征・榊原久直(2019)読んでわかる児童心理学.サイエンス社
 
自学自習についての情報 授業前準備学習:各授業で扱う授業のキーワードに関して,参考書や授業内で配布される補足資料などに目を通すとともに,子どもや家族に関するテレビや小説,映画などを子育てを巡る“心の動き”という観点から観ること。(作品紹介を各回の感想シートにて求める)
授業後学習:授業で取り上げた内容の要点と重要箇所の確認・整理。
 
授業の形式 講義形式で行う。
具体的には、講義計画における各回の学修内容やキーワードを踏まえたPowerPoint資料を中心に対面授業(必要に応じてハイブリッド型・オンデマンド型併用)を展開する。必要に応じて映像資料や絵本や写真など視聴覚的な資料を用いる。 
アクティブラーニングに関する情報 個人・ペア・グループ形式でのワークやディスカッション,ロールプレイを随時展開し体験的学習や意見交流を行う。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への参加・貢献度(30%)
※授業への参加・貢献度は授業時間内に行う感想・質問シートの記入を元に算定する。
 感想・質問シートに関しては毎回の授業にて紹介・解説を行う。
期末試験(70%):
期末に1回実施し、課題に即した事項を整理し考察した内容を評価とする。
 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 授業中に浮かんだ疑問・質問・連想は大事な学びの種であるため,遠慮せず声をかけてください。一緒に掘り下げましょう。 
担当講師についての情報(実務経験) 担当講師は、公認心理師・臨床心理士として(障碍のある)子どもの心理・発達相談や,その養育者への子育て相談、関係する支援者(保育・教育・福祉領域)へのコンサルテーションやスーパービジョンを行ってきた経験がある。