科目情報
科目名 日本史特講 
クラス − 
授業の概要 ジェンダーの観点から、最新の歴史研究の成果に基づいて日本史を読み解いていく。
その際、中学・高校の教科書を用いて、歴史教育のコンテンツが歴史学の進展によっていかに変化し、またいかなる課題を残しているのかを考えていく。 
授業の到達目標 @ これからの教員として必要な視座とそれに基づく歴史知識を習得する。
A 中等教育における歴史教育の現状と課題について理解を深める。 
授業計画
内容
1ガイダンス:ジェンダー視点と歴史学の研究史 
2古代@:弥生〜古墳時代における王の条件について、性差の観点から考えてみよう。 
3古代A:古代社会における家族・親族のつながりは、どのようなものだったのだろうか? 
4古代B:律令体制の導入を通じ、日本のジェンダー秩序は、どう変わっただろうか? 
5中世@:律令政治・摂関政治・院政の仕組みは、結局、何がどう違うのだろうか? 
6中世A:中世武士社会の「女性の力」の移り変わりを、相続の観点から考えてみよう。 
7中世B:室町・戦国時代の庶民の世界で、男性・女性はどのように役割を分担していたのだろうか? 
8補論:古代・中世の仏教は、女性をどのように扱い、語ったのだろうか? 
9近世@:江戸時代に定着した「家」の性格と仕組みについて、理解を深めよう。 
10近世A:江戸時代の「百姓」男女の結婚・労働は、今とどう違うのだろうか? 
11近世B:買売春が大衆化したといわれる江戸時代。その実態とは? 
12近代@:明治維新を経て、「家」の性格や男女の規範意識は、どう変化しただろうか? 
13近代A:明治〜大正期に都市化が進むなか、どんな「家族」像が理想とされたか?また実際はどうであったか? 
14近代B:昭和の時代に総力戦・高度成長を経て、「家族」はどう変化しただろうか? 
15近代C:日本における深刻な少子高齢化の原因を、歴史的に探ってみよう。 
 
テキスト・参考書 テキスト:久留島典子ほか偏『ジェンダーから見た日本史』(大月書店) 
自学自習についての情報 テキストを熟読すること(事前課題を課す場合がある)。
また高校日本史教科書との紐付けがなされているので、該当部分もよく読んでおくこと。 
授業の形式 提示した資料に関する個人ワーク・ペアワーク・グループワークおよび教員による講義(若干)を適宜、組み合わせて行う。 
アクティブラーニングに関する情報 個人または2名程度による調べ学習(資料の整理・読解)と、5人1組を基本としたグループワーク(討論)が中心となる。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業毎に提出する「振り返りシート」(70点)および「期末レポート」(30点)で判断する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 一昨年度までは講義形式を主体とし、昨年度よりワーク中心の構成としました。
学生の意見などを適宜採用しながら、ワークの方式を模索しています。 
担当講師についての情報(実務経験) 日本中世史を専門としています。
小中高校での実務経験はありませんが、全国の高校教員と連携し、歴史教育の刷新を目指す運動を行っています。