科目情報
科目名 解析学特別講義 
クラス − 
授業の概要 1変数の複素力学系について学ぶ。

複素力学系はフラクタルの名で聞いたことがある人もいると思う。コンピュータによって描かれた美しい図を見たことがあるかもしれない。また、一般の力学系はカオスとの関連でも研究されている。

関数f(x)が与えられたとき、漸化式f(x0)=x1、f(x1)=x2、f(x2)=x3、・・・を考える。(離散)力学系とは、数列x0、x1、x2、x3、・・・の振る舞いを調べる研究分野である。複素力学系とはf(z)が複素関数のときを言い、主に多項式や有理関数の場合を扱う。

この講義では複素力学系の具体例の計算から始め、固定点・周期点・ジュリア集合・ファトゥー集合などの基本的な概念を学ぶ。前提知識をあまり必要としないように解説する予定である。 
授業の到達目標 受講者が複素力学系の基本について理解することを目標とする。 
授業計画 この計画は仮のもので、受講生の状況により修正されます。
内容
1複素力学系の具体例(1) 正則関数・力学系 
2複素力学系の具体例(2) 1次分数変換 
3複素力学系の具体例(3) 多項式 
4有理関数(1) 拡張複素平面 
5有理関数(2) リプシッツ条件 
6有理関数(3) 共役・固定点 
7ファトゥー集合とジュリア集合(1) 同程度連続 
8ファトゥー集合とジュリア集合(2) 完全不変集合 
9ファトゥー集合とジュリア集合(3) 正規族 
10ジュリア集合の性質(1) 例外点 
11ジュリア集合の性質(2) 無限集合 
12ジュリア集合の性質(3) 完全集合 
13ジュリア集合の性質(4) 軌道・周期点 
14ファトゥー集合の性質(1) オイラー標数 
15ファトゥー集合の性質(2) リーマン・フルヴィッツの公式 
 
テキスト・参考書 Alan F. Beardon「Iteration of Rational Functions」Springer-Verlag (購入しなくてよい) 
自学自習についての情報 力学系では図形を動的に見る必要がある。どのように動いているか図で考えよう。 
授業の形式 講義 
アクティブラーニングに関する情報  
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) レポート(100%) 
その他(授業アンケートへのコメント含む) この科目の受講者は解析学序論Iを受講していること。 
担当講師についての情報(実務経験)