科目情報
科目名 地学II 
クラス − 
授業の概要 太陽系と地球の運動,地球史,気候変動などのうち,特に地球上で起きている地球科学的な事象について解説する。 
授業の到達目標  身の周りにある自然は,地球が誕生してから現在まで46億年という時間が流れ,生命を含めて進化発展を遂げて成り立っている。このことから,自然界の多くの事象は「地学(地球科学)的な自然に溢れている」といえる。また,地球上の各地で頻繁する地震,津波,台風,気象変動,火山噴火などの自然災害,生物絶滅などはどれをとっても地学的な自然の猛威といえる。しかし,私たちはその本質を普段考えることなくローカルな市井の生活を送っている。本講義では,日常接している京都周辺の自然を例に,グローバルな見方や考え方について理解を深め,より専門的な視野に立って,幅広く地球科学の基礎を養うことができる。 
授業計画
内容
1授業の概要、星図と地球から見た天体の運動 
2宇宙の始まりと惑星の形成 
3太陽系の構造まとめと地球の運動 
4地球の地殻とマントルを作る岩石について 
5大陸移動説からプルームテクトニクスへ 
6大量絶滅と地球生命の進化 
7相対年代と数値年代
(小テスト@:4回〜6回までの内容について) 
8隠生累代(先カンブリア時代)の地球の姿 
9顕生累代-古生代の地球の姿- 
10中生代から新生代古第三紀の地球の姿-極東アジア地域- 
11新第三紀の地球の姿−日本列島の成立を中心として−
(小テストA:7回〜10回までの内容について) 
12新生代第四紀 
13地質構造と地形の変化 
14日本列島の基盤形成 
15西南日本の地質と地形的特徴 
 
テキスト・参考書 重要事項を整理したプリントを中心に「視覚でとらえるフォトサイエンス 地学図録」(数研出版)や「2015年京都府レッドデータブック(普及版)」(サンライズ出版)を活用する。 
自学自習についての情報 地球の歴史はイメージしにくいため,講義の中で取り上げた岩石・鉱物について、京都の地質関連地域の現地を訪れたり、深く調べることを強く薦める。また授業の中で学習した内容についてレポートを課すことがある。 
授業の形式 講義形式、書き込み式のプリントで重要事項を整理し,プリントに基づいて参考図書や地学図録によって授業を進める。適宜DVDやプロジェクターの画像を使用する。 
アクティブラーニングに関する情報 講義の中で取り扱う岩石・鉱物や化石のサンプルを持参し実際に見て,講義中にミニ・ディスカッションやミニ・レポートを書く機会を設ける。また,自由参加であるが,小・中学校でよく遠足に利用される京都周辺地域の地質を見て歩く地質巡検(半日巡検:夏休み中に宇治地域や京都西山地域の地形や地質見学)を企画する予定である。ただし、実施については新型コロナの感染状況を把握しての判断となる。? 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への出席状況と講義への取り組み方(講義後のミニ・レポート:15%),ならびに15回の中で2回の小テスト(40%),最終定期試験(45%)により総合的に評価する。 
その他(授業アンケートへのコメント含む) 授業後の聞き取りから、小中学校で受けた天文関連内容の項目や理解にばらつきがあり、天文に不安を抱える学生がいたため、動的地球に焦点を当てた「星座や星図について」と「地球の運動と天体の見え方」についてまとめと復習の時間を設けた。またアンケート結果より,授業展開の速さや難解な箇所が見受けられたため,各授業内でテーマの絞り込みを進めて行く予定である。また、日頃より本授業に関連する内容について興味関心をもち,科学雑誌,科学に関する書籍,新聞、ニュース、テレビ番組などに注意を払うことが望まれる. 
担当講師についての情報(実務経験) 中・高等学校の講習会や生徒の地質巡検に利用できる案内書を作成し実施しており,身近な自然環境に対する観察や理解(実際の露頭や岩石を見ての学習指導)は必要不可欠であることを実感している。このことから,京都ならびに近畿圏における自然環境を「保護し後世に残す立場」でレッド・データブックの題材を取り上げ,学校現場でも活かせる内容をできるだけ紹介し,校外学習や課外活動など実務に役立つ授業を展開する。