科目情報
科目名 金属材料 
クラス − 
授業の概要 金属材料の結晶構造および微視組織,機械的性質および強化機構,ならびに組織制御について基礎的な知識を学ぶ.また鉄鋼材料や非鉄金属(アルミニウムおよびチタン)などの金属材料について,それらの特徴を概説する.さらに,材料強度学の基礎,各種表面処理の原理や効果,金属材料の基本的な加工方法について説明する. 
授業の到達目標 1.金属材料の結晶構造および微視組織について理解する.
2.金属材料の機械的性質および強化機構について理解する.
3.組織制御に関する金属学的な基礎的知識を習得する.
4.鉄鋼材料と非鉄金属について,それらの特徴や用途を理解する.
5.疲労や破壊など,材料強度学の基礎を理解する.
6.各種表面処理の原理や効果について理解する.
7.金属材料の基本的な加工方法を理解する. 
授業計画
内容
1ガイダンス−本講義の目的と授業方法の説明,扱う内容の概説. 
2金属の結晶構造−結合の種類,金属の結晶構造の種類,結晶構造の表記法(ミラー指数). 
3金属の微視組織−金属の結晶の欠陥(点欠陥,線欠陥,面欠陥),結晶粒の変化(回復,再結晶,粒成長). 
4金属の機械的性質−弾性変形と塑性変形,応力とひずみ,ヤング率と剛性率,引張試験,応力ーひずみ線図. 
5金属の強化機構−固溶強化,析出強化,加工硬化,結晶粒微細化,構造敏感と構造鈍感. 
6平衡状態図−相律,二元系状態図(全率固溶型,共晶型,包晶型,偏晶型),三元系状態図. 
7鉄鋼材料@−純鉄と炭素鋼(化学組成,微視組織,熱処理,平衡状態図,TTT線図). 
8これまでの復習,演習 
9鉄鋼材料A−合金鋼,快削鋼,ばね鋼,工具鋼,軸受鋼,ステンレス鋼,耐熱鋼,鋳鉄. 
10非鉄金属−アルミニウムおよびチタン(微視組織,機械的性質,種類,熱処理). 
11材料強度学@−疲労(疲労破壊の発生メカニズム,疲労試験,S-N線図),破壊力学(応力拡大係数,き裂進展). 
12材料強度学A−高温強度,腐食,摩耗. 
13表面処理−表面処理の種類(熱処理,機械的処理,コーティング),表面処理の効果. 
14金属の加工−鋳造,塑性加工,除去加工,付加加工. 
15まとめ 
 
テキスト・参考書 講義スライドを配布する.入手方法については授業時に説明する.
参考書:日本材料学会「機械材料学」 
自学自習についての情報 講義前に講義資料を配布するので内容の確認を行うとともに,復習に重点を置いて基礎的事項の習得に努めること.期末試験前には,毎回の講義の演習問題を中心に復習すること. 
授業の形式 講義および演習 
アクティブラーニングに関する情報 必要に応じて,授業で扱った内容に関するグループ・ディスカッション,ディベートを行う. 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 毎回の授業内で実施する演習問題の解答状況(20%)および期末試験(80%)の成績による. 
その他(授業アンケートへのコメント含む) ・講義で扱った内容が身の回りの機械構造物にどのように活用されているか考えながら受講すること.
・不明点,疑問点は講義前後やメール等で適宜質問すること. 
担当講師についての情報(実務経験) 大学教員として,機械材料・材料強度学に関する学術研究および共同研究の実績を有する.その経験に基づき,学術的・工業的に重要と考えられる点を中心に講義を行う.