科目情報
科目名 美術科教育実践演習 -美術教育史- 
クラス − 
授業の概要 日本の美術教育は、子どもの発達や個の育成(人間形成)がテーマとなる現状に至るまでに、実に長い歴史を経過している。美術教育が大人の美術を目指すものではなく、子どもの育ちに沿う意味づけを担うまでの歴史を学ぶことによって、現在の美術教育の理念へのより深い理解を促したい。また、日本の美術教育の歴史において、その内容が学校制度の中だけでなく、制度の外の草の根運動からも過大な影響を受けてきたこと、それが意味することを考えてほしい。これらの学習によって、美術と美術教育に向き合う自らの立ち位置を探ってほしい。 
授業の到達目標 (1)近代日本の美術教育の歴史の流れと特徴を理解する。
(2)美術教育の歴史の中で、「子どもの美術」概念が生まれ、成立していく過程の出来事を学び、理解する。
(3)学校制度の外の美術教育について知り、理解する。 
授業計画
内容
1?美術教育の理念 
 (1)近代日本の美術教育について(歴史的概観) 
2 (2)子どもの美術・1(山本鼎と大正自由画教育) 
3 (3)子どもの美術・2(久保貞次郎と創造美育運動) 
4 (4)子どもの美術・3(考察「造形あそび」) 
5?制度の外のアート
 (1)フリードル・ディッカーとテレジン収容所の子ども達 
6 (2)美術教育と芸術療法 
7 (3)アウトサイダー・アートの歴史と展開
    @ジャン・デュビュッフェとアンフォルメル 
8    Aロジャー・カーディナルの定義と展開 
9    Bアール・ブリュット・コレクションの画家たち 
10    C日本のアウトサイダー・アート(運動と展開) 
11    Dアウトサイダー・アート再考ー新しい美術を求めてー 
12?受講生の関心・問題意識に基づく主題からの探求
    @主題の設定と構想(第11回までで学んだことの中から主題を設定し、研究方法を構想する) 
13    A主題の追求ー主題研究のための方法を検討し、情報資料などを集める。
           実際に主題に関わるアート活動が行われる場に参加し、観察や取材を行う。 
14    B進捗状況を報告し合い、課題をまとめる。 
15    C各自の発表を基に討論する。 
 
テキスト・参考書 神林恒道、ふじえみつる他『美術教育ハンドブック』三元社、
上野浩道『日本の美術教育思想』風間書房、
関則雄編『アート×セラピー潮流』フィルムアート社 他 
自学自習についての情報 学校やミュージアムだけでなく、社会の多様な場におけるアートのあり方や役割に注目し、これからの社会で必要とされるアートの意味や形を自主的に考察する。 
授業の形式 講義と演習 
アクティブラーニングに関する情報 資料購読や作品鑑賞の際、意欲的な意見交換、情報交換を心がけること。 
評価の方法(評価の配点比率と評価の要点) 授業への参加態度(30%)、調査研究の取り組み(30%)、課題レポート(40%) 
その他(授業アンケートへのコメント含む)  
担当講師についての情報(実務経験)